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侵略者を撃つな

 ちょっと前、”横浜みなとみらいに巨大ウルトラマン登場”というのが話題になりました。
高さ4.5メートルのウルトラマンの人形が、飾られたそうです。
NHKの朝のニュースで、紹介されてました。

 私、ウルトラマン世代です。

 ウルトラマン放映開始1966年(昭和41年)は、私が小学校1年生のとき。
7月の放映開始の1週間前にやった、予告の公開番組も、リアルタイムで覚えています。
(大人になってからビデオでみたら白黒でした。
もっとも、当時我が家はまだカラーテレビがなかったので
カラー作品のウルトラマンも白黒で見てたはずです。)

 その1年前、幼稚園の年長のとき見てたのが「ウルトラQ」で、はまりましたねー。


 今でも、ウチに受診する子供がウルトラ怪獣のTシャツ着てると、
「お、レッド・キングとゼットンだねー。こっちはゴモラだ。」
などと、うれしくて声をかけます。
そうすると、子供は「何で、このおっさん知ってるんだろう。」
と、不思議な顔をしますが、次のときは
「見て見て。」
と、愛用の怪獣の本を持ってきます。

 そうすると、こっちも乗ってきて
「あー、キング・ジョーだねー。これはぺダン星人の操るロボットなんだよねー。
脚本家の金城哲夫さんの名前から採ったんだよ。」
などと、オタク振りを露呈して、おかあさんまであきれさせてしまいます。


 ちなみに最も好きなエピソードは
「ウルトラマン第2話:侵略者を撃て」、有名なバルタン星人の回です。


 ビルの屋上で、ウルトラマンのハヤタ隊員と、バルタン星人に操られるアラシ隊員が
会話をします。
「我々、バルタン星人ハ故郷ノ星ヲ失ッタ、地球ニ移住シタイ。」
「君たちは何人くらいいるんだ。」
「ザット20億人ダ。バクテリアクライノ大キサニナッテ、円盤デ冬眠シテイル。」
ここで、横で聞いてたイデ隊員が
「しぇー、地球上の人口全部でも22億だっていうのに。」(今は60億を超えましたが・・・。)
その言葉をさえぎるように、ハヤタが口を開く。
「いいでしょう。あなた方が地球の風俗、習慣になじみ、地球の法律を守るなら
それも、不可能なことではありません。」

 おお、ハヤタ、なんてカッコいいんだ。

 世界のみんなが、ハヤタ(ウルトラマン)の言うこと聴いてれば
竹島問題も、グルジア紛争も、イスラム過激派もないだろうに・・・。


 
 さて、NHKのニュースを見ていてとても気になったこと。
「巨大ウルトラマン?身長4.5メートル?全然巨大じゃないじゃん。」
そう、ウルトラマンの身長は40メートルなので
”横浜みなとみらいに ミニチュアウルトラマンが登場”、が正しい。

何で、みんな突っ込まないんだー。

報道は、正確に。
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CCガールズの誘惑

 お昼近く、受付の女の子が
「先生、国際ジャーナルっていうところからお電話です。」
国際ジャーナル?なんか、聞いたことあるようなないような・・・

 電話を取ると、営業特有の甲高い声。
「もしもし、先生でいらっしゃいますか。
お忙しいところをすみません。
こちら雑誌、国際ジャーナルのナンタラと申します。
実はですね、より良い医療を目指してがんばっておられる先生の診療所をですね、
タレントの藤森夕子さんがですね、取材をする、という企画なんですけどね。」

 あー、例のあれか・・・。

「藤森夕子さん、ご存知ですよね。」
「・・・いや、よく知りませんが・・・。」
「元CCガールズのですね、とてもきれいな方なんです。」
「あー、CCガールズねー。」


 実は、これ取材ってゆーより広告なんです。
国際ジャーナルって、得体の知れない雑誌の取材と称して
旬の過ぎたタレントが、形ばかりのインタビューをして、その取材料として
数万円~数十万円をこっちが払う、というものです。

 雑誌はどこ探しても売ってないのですが、まあ一応出るので
それをコピーして雑誌に取材されました、とかで宣伝に使える、ってやつです。

 ただ、最初は取材です、というので、まさか取材される側がお金払うとは知らずに
取材を受ける約束して、何だ金払うのか、だまされたーてなこともある、
詐欺すれすれのビジネスなわけです。

 以前、開院当初にも同じような誘いがあり、そん時は確か昔「CHA CHA CHA」かなんかが
ちょっと売れた石井明美さんだったですね。
そのときも、お断りしましたが、まあタレントさんが来ていっしょに写真も撮れるので
昔ファンだった、なんてのなら損はしない、って考え方もありますがね。

 あとでネットで調べたら、インタビュアーのタレントとしてラインナップされてるのは
三原じゅん子(セクシー・ナイト)さんとか、大西結花(スケバン刑事のお姉さん)さん、石橋正二さん(夜明けの停車場!)あたり、
まあ、いわゆるテレビショッピングレベルのタレントですね。
しかし、この辺はまだいいとしても、インタビュアーの中になんと具志堅ヨーコーとか渡嘉敷トカちゃんなんてのがいる。
こいつら、インタビューできんのか。
「ちょっちゅねー。」とか言われてもなー。


 「うーん、CCガールズか。」
今回、そのセンで、私の気持ちがグラッと動いたことは否定すまい。
でも、別にCCガールズったって、インタビュー来るのにヒョウ柄のハイレグ着てくるわけじゃないし、
と思い、やはりその場でお断りしました。(そこかい!)
しかも藤森さんっつても、CCガールズのどの人かわかんないし・・・。


 元キャンディーズの誰かとか、森高千里さんとかだったら、結構お金かかってもお願いしちゃうんだけど・・・。

 


四日天下

 ハーフタイムまでは、首位だったんだが・・・。


 2008年J1第23節

 東京ヴェルディ1969  1-1  浦和レッズ  (国立競技場)
           (前半 0-0)
           (後半 1-1)



 国立は、もっぱら、関東地方のチームがホームとしてレッズを招いてやることが多い。
(かつて埼玉スタジアムが出来るまでは、レッズもホームで使ったことがあるが。)
柏、鹿島、千葉、ヴェルディあたりか。
さすがに横浜のチームは日産スタジアムがあるのでマリノスも横浜FCも国立ではやらないし
FC東京、川崎フロンターレは、味スタ、等々力にこだわる。
鹿島、千葉もカシマスタジアムが改修されたり、フクアリが出来てからはそっちでやってるので
ホームスタジアムのキャパが少ない、レイソルがここでよくやるなー。

 さて、地域に根付いてない東京ヴェルディは味スタがあるのにわざわざ国立でやるわけだ。
もちろん、大挙してやってくるであろうレッズサポの入場料収入も当てにしてる。
おそらくヴェルディ側は読売新聞の配ったタダ券の、お客ばっかりだろうから。

 スタジアムは、ヴェルディのホームだが7対3で赤のサポが多い。

 ホーム側こんな感じ。
ガラガラです。
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     一方、アウェイ側は
             P8270094_ks.jpg
           ご覧のとおり、超満員。(写真、ぶれちゃった。)

 しかし、サポーターの数や勢いで、勝敗が決まるならレッズは昔からチャンピオンだ。

 今日のレッズは、何となく重かった。
それでも、前半は高原と達也がお互いにスペースを作るように前線で動いていた。
いつ、レッズが点を取るか、という感じだったが
後半、ゲルトは何故かその2トップを総とっかえ。
この采配は疑問だ。

 ヴェルディのサッカーはサイドをあまり使わず、センターに絞り込むスタイルなので
レッズはサイドチェンジから、何回もチャンスを作ることが出来た。
しかし、クロスの精度や、アタッカーのトラップミスからナカナカ得点が奪えない。

 一方ヴェルディは、パスカットからタテにつないで前線に運ぶシンプルなカウンターが
徹底されてて、たびたびレッズゴールを脅かす。
それをさらに効果的にしていたのが、大黒の前線での動きだ。

 前線で左右に動きスペースを作ってボールをもらうと、簡単にさばいてまた前へ出る。
失点シーンもタテに抜けるタッチ数の少ないパス回しからだった。

 レッズは、ミスが目立つようになり、明らかに集中を欠いている様子。
特に平川はミスが多かった。

 後半の時間が進むほど、ミスは顕著になり、敗戦も覚悟したが
ロスタイム、相馬のクロスを阿部ちゃんが頭で合わせて、同点。
まあ、負けなくてよかった、というべきか・・・。

 鹿島と名古屋がともに逆転勝ちをしたので、レッズは3位に後退。
残りは10試合ちょっと、アジアチャンピオンズリーグも始まるので、
ますます厳しい戦いが続く。
そういった意味ではACLのない、名古屋は怖い存在かも。
(もっとも名古屋はナビスコが残ってるけど)

 サポからは、監督批判もでてるが、ここは全員一丸となって(もちろんサポーターも)
何とか優勝を勝ち取ってほしい。
去年みたいな思いは、もうしたくないっす。

レコードとCD

 最近CDは、ほとんどインターネットで買います。

 検索が簡単で、レコード店めぐりをしなくてもほしいCDが捜せますし、
国内盤、US盤、UK盤はたまたオーストラリア盤などのなかから値段の安いやつが探せます。
しかも最近は、学生の頃と違って小金があるので
例えばオールマン・ブラザース・バンドのアルバム全部、なんていういわゆる大人買いが出来ちゃうわけだ。

 それにしてもCD自体も安くなりました。


 中高生の頃は、LP(アルバム)が2300円~2800円、平均2500円だった。
だからレコード1枚買う、ってのは一大決心で、何日もレコード屋に通って、迷いに迷って決めたものだ。
最終的には、ジャケットの裏にある演奏時間を合計して、少しでも長い方を買ったりして・・・。

 LPが平均45分くらいだったが、たまに30分チョイ位しかないものがあると
マジで、損した感じがしたもんだ。(セコイ・・・)

 だから、レコードは貴重なので、まずテープにとってそちらを普段は聞いたりとか、
レコードの貸し借りも良くやった。

 FM放送ではLPをまるまる放送する番組もあったので、
番組表を見て、必死で録音(当時はエア・チェックなんていった)したものだ。
ダビングすると音質が落ちちゃうので、チューナーの前でカセットデッキの
録音ボタンに手をかけて、待ってて開始と同時に録音スタート。
A面が終わると、曲紹介が入るので、すばやく巻き戻して、アナウンサーの声をカットして
B面のスタートまでに、テープの頭を合わせとく。

 こんな事、毎日してましたねー。
今でも覚えてます、FMの夕方の番組でグランド・ファンク・レイルロードの新譜をやる、
ってんで先輩の目を盗んでサッカー部サボって、走ってうちに帰った日のこと。


 高校生になると、電車で東京までレコードの買出しに行くようになります。
御茶ノ水のディスクロードや新宿のキニーやオムといった店を
ロック雑誌の広告を頼りに探していくわけです。

 なんか、雑居ビルの3階あたりによくそういう店があって、
エレベーターや階段にも何も書いてなくて
「ホントにこんなとこにあるんかいな。」
と、一階の郵便受けの名前だけを頼りに登ってくと
せまーい、店内に棚があって、数人の男が(男しかいない、しかもみんな一人で、来てる)
黙々とレコードを探してるわけです。
店内はまったく話し声はなく、男たちの手元を見ると
まるで銀行員がお札を数えるような、ものすごいスピードで、レコードをチェックしてるんだ、これが。

 なんか、田舎の高校生としては、自分が非常に場違いなとこにいるような
緊張感を覚えましたねー。

 それでも、お宝があるある。
UK盤は高いのですが、US盤だと1980円くらいからある。
日本盤と比べると500~800円くらい安いので
確か3枚買えば電車賃が出る、位だったと思います。
(もちろんりょうもう号ではなくて、快速で行くんですよ。)

 また、正規では出てないいわゆる海賊盤も売っていて
おー、ゼップのライブだー、なんて買ってくるんですが、
これははずれが多く、小型のカセットで録ってあって音がメチャクチャ悪い、なんてのが多かったなー。
何回か懲りてからあまり手を出さなくなりました。

 小遣いためて3~4ヶ月に一回くらい行くんですけど、けっこう楽しみでした。


 しかし、そんなことも、今は夢のようです。
便利な時代になりました。


 ただ、最近良くある、CDの紙ジャケ、あれどうですかー。
つまりプラスティックのケースじゃなくて、
昔のLPみたいにボール紙のスリーブにCDが入ってるやつ。

 私、あれ、キライです。

 出し入れしにくいし、何よりもCDラックに入らない、
無理やり入れても背表紙がないので、何のCDか引っ張り出さないとわからない。
まったく、あんなモノをありがたがる奴の気が知れん。

 ネットで買うときはチェックして紙ジャケ仕様でない盤を買うのですが、
時々、紙ジャケしかねーやつがあんだよなー、まったく。

北京オリンピック

 北京オリンピック、終わりましたね。
個人的には
Jリーグ(浦和レッズ)>ワールド・カップ>海外リーグ>ヨーロッパ選手権>オリンピック>>>>高校野球≒お相撲>プロ野球(含むメジャーリーグ)
・・・みたいな位置づけなので、今年のイベントとしては
6月のサッカー・ヨーロッパ選手権の方がずっと、「燃えた」のですが、
今回時差がなかったので、結構だらだらテレビついてました。

 やっぱ、北島康介の100メートルかなあ。生ではなくニュースでみたんですけどね。
あとは、オグシオ、はじめて見たけど可愛かったです。
最初の試合はたまたまつけたらやってたわけですけど、次の日は時間を調べて最初から見ました。
(負けちゃったけど・・・。)

 サッカーは最初から期待してなかったけど一応見ました。(細貝だけは応援してましたよ)
柔道もバレーボールもちょっと見たけどルールがよくわかんない。
あ、女子サッカーは見たなー。全部じゃないけど。
新体操や、体操、シンクロ、レスリング、陸上、みんなオリンピックでもなければ見ないスポーツですな。

 気になったのは、各競技の解説者として実況を担当した人たちです。
ほとんどすべてが、かつてその競技をしていた人たちだと思いますが
あまりテレビで解説なんかした経験がないのでしょう。
ほとんど「がんばれっ。」「いけっ。」みたいなコメントで解説にも何にもなってない。
最後は「キャー。」とか「うおー。」みたいな絶叫になってるのが多かった。
特にニュースで繰り返し流されたソフトボールの解説者の絶叫、うるさかったです。

 その中で、卓球だけ何故か冷静でどんなにピンチやチャンスが来ても
「・・・ですね。」と声のトーンが変わらなかったのが印象的でした。


 昨日は、閉会式。
開会式のときに、演出が盛り沢山すぎてうんざりしたので、見る気はなかったのですが
たまたまつけたら、イギリスの若い女性歌手が出てきて
そしてそのあと現れたのは、な、何とジェイムズ・パトリック・ペイジ先生ではないですかー。
 しかも「ホール・ロッタ・ラブ」!

 しかし、何でジミー・ペイジなんだ。
ポール・マッカートニーはギャラが高すぎたか?
あ、ポールはリバプール出身で、ロンドンじゃないからか。
では、ミック・ジャガーは?

 気になるのは、ご高齢のペイジ先生、音の回るスタジアムでちゃんと演奏できるか、
高い台の上でフラフラしないか、はらはらしながら見てました。
大体、中国人はレッド・ツェッペリン知ってんのか?

 でも、無事演奏できてよかった、
つーかNHKのアナウンサー、演奏中は黙っとれ!


 それにしてもペイジ先生、あのゼップ時代のドラゴン・スーツ着れば、中国っぽくって良かったのに!
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(さすがに、もう着ないか、でもケチで有名なペイジのことだから、まだ家には持ってるんじゃねーの。)

隣の男

 タカのゴールもあり、完勝、首位奪還。



 2008年J1第22節

 浦和レッズ  3-1  ジュビロ磐田  (埼玉スタジアム2002)
    (前半  1-1)
    (後半  2-0)



 土曜の午後から、妻が子供2人とともに九州の実家に里帰り。
先週は一家4人で味の素スタジアムに乗り込んだが、今日は一人です。
イヌの散歩を、早めの時間に済ませ、埼玉スタジアムへ。

 ポンテが戻って、攻撃のバランスは格段によくなった。
先制されたものの、ポンテのゴール(ほとんど達也のゴールみたいなもんだが)で
前半に追いついたのがよかった。

 後半、珍しい(?)平川のゴールと、そしてなんといっても高原のダメ押し弾。
古巣ジュビロからゴールを取りたい、またチームメイトも、取らせたい
という気持ちが試合開始直後から伝わってたので、これはよかったっすねー。
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 さて、今日は一人参戦でしたが、私はいつもバック・アッパーで見ることが多いです。
それもアゥエイよりで。(理由:安い、比較的空いててチケットが取りやすい、屋根がある、
そして何よりピッチ全体が見やすく戦術、フォーメーションがよく分かる。)
 埼玉スタジアムはゴール裏を除いては、ほとんどすべてレッズサポで埋まるのだが、
まれにアゥエイチームのサポが紛れ込んでることがある。

 サッカーを見に来る人は、ほとんどすべての人が
自分がどちらのチームを応援しているかわかるような、
服や、バッグ、アクセサリーなどを身につけてるので、すぐそれとわかります。
グループなんかの場合は、誰か一人くらいははそんなカッコしてるし
会話からわかることも多いです。

 ただ、たまにわかんない人がいる。

 今日の席はバック・アッパーのやや上方。
指定席に座ると私の隣の一人のほかは、その列は誰もいないのだ。
その上下の列は、結構埋まってるのに・・・。

 隣に座る20代とみえる若者、一人で来てるようで、試合前からずっとゲームやってる。
ちらちら見るが、どちらのチームのサポかを知る手がかりはまったくない。
でも、まさかねぇ・・・。

 うーん、困ったなー。

 こっちは、バリバリレッズサポ丸出しだし、ここは埼スタだから、
と思っても、つい、気になっちゃうんだよなー。

 試合が始まりその男は手拍子や、コールもせず、静かに試合を見ていたが、
ポンテのゴールが入った時、拍手してたので(座ったままだけど)
あー、少なくともジュビサポではないなー、とホッとしました。

 試合後にはなにやら携帯いじってたが、突然ニコニコ顔になって
「見てください、アントラーズ、ほら、負けましたよ。これで首位ですね、よかったですねー。」
と、声をかけられ、いきなり携帯の画面をつきつけられました

 あー、びっくりした。
なんだ、こいつレッズ好きなんじゃん。
緊張して、損した。



 それにしても、名古屋がカシマスタジアムで鹿島に勝ったのは
Jリーグ開幕以来16年間で、初めてだったそうな。
ナント今まで公式戦21戦全敗、引き分けすらなかったという

 でも、おかげでウチが首位に、ピクシー、サンキュー。

どっかん、読感

 毎朝、犬の散歩で織姫神社まで行くが、この頃はツクツクボーシの声がするようになった。
7月アブラゼミから8月ミンミンゼミになると、おー夏、夏、とうれしくなる私だが
ツクツクボーシの声を聴くと「あー、宿題やらなきゃ。」と今でも思ってしまう。

 小学生のころから、夏休みに入ると
「よーし、今年は7月中に宿題終わすぞー。」
と、意気込むのだが、ワークブックは2ページで脱落し、
「何とか、花火大会までには終わらせよう。」
と、計画を下方修正するのだが、それも破綻し、
「お盆までには何とか・・・。」
と考えてるうちに、8月31日を迎える、というパターン。

 窓の外にツクツクボーシの声を聴きながら、
半泣き状態で宿題やってる、ってのが毎年のことだったなー。

 大体、最後に残るのが「読書感想文」。

 これが、キライでキライで。

 課題図書なんてのがあって、夏休みの前に学校で売るので
本自体は、夏休み前に手に入る。

 元来読書は好きなので、本はあっという間に読んじゃって、
それで、半分くらい終わった気になっちゃうんだが、
肝心の感想文には、ナカナカとりかからない。

 で、いよいよ休みも終わりって時に、いざ書こうとすると
ほとんど内容忘れちゃってたりするわけだ。


 大体ねー、感想文を書かねばなんて思うと読書は楽しくない。
感想文書くために本を読むなんて、順番が逆でしょう。
ホンットに本読んで、感動したら、友達とか、親とかにその話をしたくなるでしょ。
そーゆー自発的なモチベーションを、宿題の感想文ってスポイルしちゃうんじゃないだろか。

 文科省、間違ってるよ。
たとえば、本を読んで面白かったら○、フツーは△、つまらなかったら×
あまりにつまらなくて途中で読むのやめちゃったら××、とかってのはどう?

 で、夏休み中に自分の一押しの本を選ばせて、それを友達に勧める、推薦文を書かす。
字数の制限はなく、1行でもOK。
でも、ただ「面白いから」とかいうのはダメ。

 で、2学期にみんなで推薦文を発表しあって、
さて、誰の推薦した本を一番読みたいでしょう、というアンケートをとる。
それで1位になった子が、賞をもらえる、ってのは面白くないすか。

 よーし、みんなに自慢できる面白い本をめっけてやるぜ、って気にならないかなー。

 基本的に、子供は(人間は)本が好きだと思うので、そういう楽しみをたくさん経験させることが
大事なんじゃないかなー。

 子供の活字離れを防ぐあらゆる対策より、ハリーポッターのほうが何百倍も効果ありましたね。
やっぱり、子供って、押し付けられるものは拒否するんですよ。(大人もそうか。)


タバコとF1

 タバコに対する、社会情勢は、最近大きく変化してるといえます。

 公共の場所での、喫煙はどんどん制限されてきています。

 それはWHO(世界保健機構)の「タバコ規制枠組み条約」を、わが国が批准したからです。
これは、タバコによる健康被害を防ぐこと、
特に受動喫煙による健康被害から非喫煙者を守る、ということが重視されています。

 それに伴い、喫煙場所の制限と、タバコ広告に対する規制が進められているわけです。

 これは、とてもいいことです。

 私もタバコやめて10年ですし、禁煙外来もやってます。
一人でも多くの人に、タバコの害を知ってやめてもらいたいと思います。


 ただ、ひとつだけ困ったことがあるんだなー。


 私、ホームページにもあるようにF1は子供の頃から好きで、
F1マシンのプラスチックモデルもよく作ります。

 ご存知の方も多いと思いますが、F1のスポンサーはタバコメーカーがとても多い。


 私が、F1に興味を持った頃は、まだマシンはナショナルカラーといって
国別に色が決まっていました。
イギリスはグリーン、イタリアは赤、フランスは青、ドイツは銀でした。
今でも市販車ではイギリス車の「ミニ」や「レンジローバー」は緑が多く、
イタリア車の「フェラーリ」、「アルファロメオ」は赤が多いし、
メルセデスはシルバーが圧倒的に多いのは、このためです。

 ちなみに日本から参戦したホンダの本田宗一郎はマシンを金色にしたかったのですが
金色は南アフリカとすでに決まっていたので、白のマシンになったというエピソードがあります。
(そのため、私のホンダS2000は白なのだ。

 初めてスポンサーカラーを採用したのはロータス49Bフォード。
1968年に、マシンはそれまでのブリティッシュ・グリーンから
一転してゴールドリーフタバコの赤と金に塗られていた。

 これです。
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 これが、かっこよかったんですよ。
当時9歳の私は、ぐぐっと来ましたねー。

 以来、多くのタバコメーカーが走る広告塔としてF1マシンを彩ってきたのでした。

 ところが、1990年以降タバコ広告の規制によって、
まず、プラモデルからタバコロゴのデカールが消えました。

 実物の車には書いてあるのにキットには入ってないんです。
せっかく作っても、実物と違うし、何しろロゴの部分が抜けてるので、カッコ悪い。
子供への影響を考えての措置でしょうが、うーん、困ったって感じ。

 そのうち、実際のレースでも国によってスポンサーロゴが禁止になりました。
最初はイギリスGP,フランスGP。続いてヨーロッパ諸国も順次禁止になりました。

 日本やブラジルは最後までOKでしたが、最近はアジア、中東でもダメみたいです。

 だから、最近のマシンについてはモケイと実車のカラーリングの差はないわけですが、
昔の車を作る時に困るわけです。
 海賊版的に売られている、高い別売デカールを買ったり、自作しなきゃならないので大変です。

 最近作った、1/12のマクラーレンM23。1976年のマシンです。
もともとは1974年のヤードレー化粧品の仕様のキットを、マールボロ仕様にするので、
ボディの吸気口を塞いだり、ボディカウルを延長したりいろいろ改造が必要でした。
ちなみにバックミラーはボールペンのキャップを使いました。
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 タバコはダメだけど、でも、タバコロゴはあったほうがカッコいいよねー。
でも、そういう価値観じゃ、ダメなのか・・・。

禁煙の秘策

 20日の夜は、禁煙治療の講演会に行ってきました。

 新しい、禁煙治療薬が出たのでそれに関連する講演会です。
キリン・チャレンジ「日本対ウルグアイ」は、録画で後で見ればいいやー、と出かけました。
(後で見て、がっかりしたけど・・・。)

 講演自体は、目新しいニュースはなかったんですけど、
んー、禁煙治療、がんばらねば、と思うところがありました。


 今日の講演では出なかった話題ですが、
禁煙治療は、今後、予防医療がメインになってくると思います。

 喫煙が「病気」である以上、予防医療は最も本質的、根源的治療であるわけです。

 特に、今日の講演でもありましたが、
日本では中高年の喫煙率は、特に男性では、かなり減少傾向にあります。

 一方、若者や女性の喫煙率は、増加しています。

 禁煙が進まないのは、ニコチン依存症の治療が困難だからですが
最初からタバコを吸わなければ、依存も何もないわけです。

 だから、新たな喫煙者を抑制することが、一番大事なことだと思います。

 さて、それには、どうすればいいか。

 実は、私は答えを知ってます。(おおー!)


 若者に、子供のうちから「タバコを吸うこと=カッコ悪いこと」というイメージを植えつける事です。


 若者がタバコを吸うのは
タバコを吸う⇒大人である⇒カッコいい
という、流れから始まることが多いと思います。

 ガキは、早く大人になって周りと差をつけたいもの、
オレなんか、もうタバコ吸ってんだもんねー、オメーらガキじゃん。
と、言いたい、思われたい。

 だから若者に、喫煙の健康に及ぼす影響なんか説明したところで
たいした効果はありません。


 かく言う、私もそうでした。
「もう、タバコくらい吸えるもんね。大人ですから。」
と、タバコに手を出したのでした。
健康に良くない事なんか百も承知です。
最初はケムくて、うまくなかったし・・・。

 しかも、かつては映画やテレビドラマで、俳優たちがかっこよくタバコを吸ってたわけだ。
スティーブ・マックウィーンとかクリント・イーストウッドとか
「太陽にほえろ」(もちろんカッコいいのはボスじゃなくってジーパンだよ)とか。
ポパイだってパイプ吸ってたし、エイトマンのピンチの時に吸う「強化剤」はタバコ型だった。
(ちと、古いっすね。)


 だから今度は逆に
タバコを吸う⇒ガキっぽい、ダサい⇒カッコ悪い
という、方程式を若者に植えつけることが出来れば
喫煙率は劇的に減ります。


 やっぱ、テレビドラマとかで、キムタクあたりがそーゆー役をやるべきだ。
もちろん、キムタクだけでなく、他の若者に影響力のある男優、女優が
コトあるごとに、タバコ嫌いのヒーロー、ヒロインを演じる。

 もちろん、洋画も影響力が大きいので、ジョニー・デップやキャメロン・ディアスにもやってもらう。

 ここで、大事なことは、それをメインにすえないこと。
あー、大人が、説教してるなーと気づけば、若者にはかえって逆効果だったりする。
だから、政府広報みたいに「タバコは健康に良くないので、やめましょう。」
とか「未成年の喫煙は法律で禁じられています。」
などと、カメラに面と向かって棒読みされても全然ダメ。(特にスポーツ選手とかが)

 全然カンケーないストーリーの中で、タバコ吸うイヤな奴が出てきて
タバコ嫌いの主人公と敵対して
自然と、タバコに対する「負のイメージ」が視聴者に定着するようにするわけだ。

 SFでもアドベンチャーでもラブ・ストーリーでも学園モノでも刑事ドラマでも。
みんな、そーゆーのが(本筋とは無関係に)チラッと盛り込まれてる。
一種の「サブリミナル効果」ですね。


 キムタクがドラマで着たシャツとか、つけてた腕時計とかが急に大人気になっちゃう事態を見ると
これは、効果あると思いますよ。ロレックスのエクスプローラⅠは品薄、価格は高騰しましたね。
 そーいえば映画「スピード」でキアヌ・リーブスがつけてたGショックもブレイクしましたよねー。

 この方法、絶対いいし、これしかないといってもいいくらい。
だって、我々世代が「タバコ⇒カッコいい大人」というイメージを植えつけられたのって
やっぱ、テレビや映画だったような気がするから、その逆をすればいいんじゃない?



 映画、テレビドラマ製作者の間で、こーゆー動きが広まればいいんだけど
でも、その辺の、いわゆる「ギョーカイの人たち」って、
結構ヘビー・スモーカーだったりするんだよねー。

プロの仕事

 先日沖縄に行ったとき、羽田までは車で行きました。

 ただし、お盆の時期で、空港の駐車場はいっぱいになってしまうことが予想されたのと
駐車期間が4日間になり料金がかさんでしまうので
周辺の民間駐車場を、あらかじめ予約していました。

 車で、その駐車場に行き、車を預けたあと空港まで送ってもらい
帰りは到着後、空港まで迎えに来てもらうタイプです。

 予約は、インターネットで検索して、パソコンから簡単に出来ました。

 で、当日駐車場に向かいます。
お盆の時期で、混雑が予想されたので早めに行きました。
なんせ、ヒコーキ乗り遅れちゃったらすべての計画がだめになっちゃいます。

 駐車場に着きました。
13日はおそらく出発日のピークなので
次から次へと、車が着きますが、おじさんたちはどんどんさばいていきます。

 ウチの車もちゃんとファイルが出来ていて、予定時間よりかなり早く着いたのですが
すぐ書類が出て、手続きが出来ました。
宛名入りの領収書も印刷されていて、帰りの説明も明快。
うーん、できる!

 スムーズに空港まで行けました。

 もっと、良かったのは帰りです。

 帰りは、空港から味の素スタジアムに行かなきゃならなかったので、
試合開始に間に合うか時間が心配でした。
場内で、車を探したり、駐車場の出口で渋滞するのはいやだなー、と思ってました。

 駐車場に着いてみると、車は出口のところに移動されていて
なんとエアコンまでついてました。
見ると、この時間の便で着く人たちの車がずらっと並べられてエンジンがかけられてるのでした。

 で、そこでは書類の手続きも無く、そのまま自分の車に乗ってどんどんみんな帰っていくわけです。

 おー、ノンストレスじゃー。

 おかげさまで、無事試合に間に合いました。
よかった、よかった。


 それにしても、今回の駐車場、とても気持ちよく利用できました。
まさに、「プロの仕事」って感じでよかったです。
おそらく、この業界も競争激しいんでしょうが、やる気を感じさせる、「できる」仕事ぶりって
見ていてもうれしくなりますね。

 他でも時々、こういう経験をします。

 博多の超人気ラーメン店とか、名古屋の味噌カツの店とか、埼玉スタジアムの売店とか、
(食いもんばっかだなー)
ともかく、すごく込んでるんだけど段取りや工夫がきちんとされていて
テキパキとさばいてくれちゃうので
あまりストレスを感じることがない、って店。

 
 お昼時のレストランで、明らかに店員が足りてねーぞ、しかもミスや無駄が多いし、
なんて腹を立てることは、よくあります。
(腹減ってるから余計にイライラするのかも)

 サッカーでも、たまに、他のスタジアムに行くと、おそらく普段レッズ戦以外はお客少ないので
売店の店員がパニックになっちゃってたりすることがあります。
サンフレッチェの広島ビッグアーチ行った時とか、ヴェルディがまだ等々力にいた時とか
大変だったっけ。


 当院も、風邪や花粉症シーズンの頃、いつも混んでて、
患者さんの皆さんにご迷惑をかけてしまうので
何かいい手がないか、いつも、街中でもヒントを探しています。
そして、少しでも、皆さんのストレスを減らすような、病院を目指したいと思います。
ただ、ナカナカ決め手になるようないい手がないんですけど・・・。

 いや、でも、駐車場のおじさんたちに負けないように、がんばりますよっ。

ケラマから味スタに

 ケラマから16日の朝、島を出て、帰路につきました。

 連絡船に乗り、那覇からヒコーキに乗り、羽田へ。

 そして向かう先は、自宅ではなく、ナント調布の「味の素スタジアム」。
そう、浦和レッズの試合を見るためです。


 2008年J1第21節

    FC東京  0-1  浦和レッズ  (味の素スタジアム)
      (前半 0-0)
      (後半 0-1)




 旅行の疲れもなんのその。
やっぱり、オリンピックはどうでもいいが、この試合は見逃せない。

 達也と高原の2トップ、トップ下は永井。
一方、東京は長友が、北京から帰ってそのままスタメン。
でも、あの鈍重な平山が出てるので、やや安心?

 しかし、前半はペースをつかみきれず。
高原の2回の決定機はポストに一本、クロスバーに一本。
「うーん、完全にワクに、いってますね。」(ワクじゃだめなんだよー。)

 おまけに達ちゃんもクロスバーにあて(こっちは難しいシュートだったが)
前半は無得点。
柔道かなんかみたいにワク3本で得点1みたいにしてくれないか、と思ってしまった。
効果、有効、技ありみたいに・・・。

 後半、いい流れになり、ついにゴール。
相馬のボレー、しびれましたぜ。
1-0の勝利、沖縄から駆けつけたかいがありました。

 これで、FC東京には、4年間負け無し、リーグ戦はこの2年すべて勝ち、
かつてあんなに勝てなかったのがうそみたい。
来年もJ2落ちしないでね、とFC東京にお願いしたい気持ちです。


 しかし、高原が下がって、ポンテが入り、気がつけば
達也、永井、ポンテ、相馬、平川、啓太、(細貝)、阿部、堀之内、闘莉王、坪井、そして都築は
去年と同じメンバーじゃん。
 とゆーことは、新戦力はあまり機能してない?


 
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ケラマに行ってきました

 お盆休み、沖縄のケラマ諸島、座間味島に行ってきました。

 那覇から連絡船で約1時間、コンビニも空港も無い小さな島です。
実は、去年のお盆休みにここへの旅行を予定してたのですが、
低気圧の接近で船が出ない、とのことで羽田まで行って、引き返してきました。

 今年は、そのリベンジ・マッチです。

 天気予報では、最後まで傘マークが取れませんでしたが、
ついたとたんに天候が回復し、3日間とも晴れ
バッチリ、潜れました。

 ケラマは世界的に見ても、有数のダイビングポイント。

 透明度と、魚の種類、数が抜群です。
写真では、ゴミみたいに見えますが、みんなきれいなお魚です。
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 魚だらけです。
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 クマノミちゃんもたくさん逢いました
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副院長、楽しんでます。
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こんな感じで、白い砂と青い海がどこまでも見通せます。
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ウミガメにも出会いました。
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 うーん、しばらくは沖縄ボケが抜けないかも・・・。


「できる」患者、「できない」医者

 昨日のブログに書いた、Sさんが、日曜日の朝、診察に訪れる。

 「昨日は、すいませーん。」
 「今日は、どうですか。」
 「まだ、熱が高いです。」
 「じゃあ、診てみようねー。」

 案の定、中耳炎は無い。
まあ、内科・小児科の先生に耳の診察をさせるほうが無理な話なので
この結果は、もちろん想定内です。

 で、のどを診てみると、ありゃりゃー、やっぱこりゃ溶連菌かもなー。
実は、これを怖れていた。

 溶連菌感染は、扁桃腺が腫れるわけだが、耳のほうに痛みが放散するので
昨日の電話で、熱が高く、耳とのどが痛いが、鼻・咳はない、と聞いたとき
かなりの確率で溶連菌感染を思い浮かべました。

 検査をしたら、やっぱり「陽性」。

 よかったねートミロン飲まなくて。

 
 溶連菌は抗生物質を先飲んじゃうと、検査しても正確な反応が出ないので、
溶連菌だかなんだかわかんなくなっちゃいます。

 一方、溶連菌は、抗生物質がよく効くのでトミロンなど抗生物質をのむと、症状がすぐよくなる。
しかし、菌が完全に除菌されるまで10日から2週間かかるといわれてるので、
その間は抗生物質をのみ続けなきゃならない。

 症状がよくなったからといって薬をやめて菌が残ると、
慢性扁桃炎や、慢性腎炎、掌蹠膿疱症なんかになっちゃうことがあるわけだ。

 

 耳鼻科医や「できる」小児科医が診れば、のどの所見から推測されるので
まず、薬を飲む前に検査をします。


 困るのは、今回の例もそうだが、まず小児科なんかで
「熱があるので、抗生剤」
なんてコトで、なんも考えずに抗生物質が出ちゃったりする場合。

 で、今回は、検査をして、バッチリ「溶連菌」出たので
抗生物質を2週間飲むことになりました。


 しかし、そういった意味では、今回のSさんは、「患者として、できる。」
Sさんいわく
そもそも、「中耳炎」という、内科医の言葉を信じるとしても
「トミロンはないですよねー、と思った。」
おおーこれはますます「できる」!

 そのとおり、トミロンは急性中耳炎の第一選択薬ではありません。


 なぜなら、グラム陰性菌には、よく効くが、グラム陽性菌には弱いから。
耐性インフルエンザ菌が出たときは、第一選択ですが、
肺炎球菌にはやや劣ります。
ちと専門的な話になっちゃいました。

 でも、ケフラールやセフゾン、ラリキシン、リカマイシンよりは、まだましか。
しかし、こういった「患者さんにかえって害を及ぼす」薬を出す医者、まだ多いです。

 かくして耐性菌は増え、医療費は上昇する。

 
 それにしても一番の話題は
 「昨日のロスタイム、あれはダメですよねー。」




ロスタイムの使い方

 やっぱり、オリンピックよりはこっちの方が100倍以上重要です。
しかし、諸般の事情によりテレビ観戦。


 2008年J1第20節

  浦和レッズ 2-2 柏レイソル  (埼玉スタジアム2002)
     (前半 1-1)
     (後半 1-1)


 いやー、この結末はさすがにへこみました。

 ロスタイムに永井が決めたときは、娘とハイ・タッチをして喜んだのですが、
最後の失点はいただけません。

 堀之内の寄せが甘かったとか、フランサのテクニックだとか言う前に
ロスタイムの使い方が、相変わらずレッズはダメですね。

 ロスタイムにリードをしたら、後はいかに時間を使うだけなので、
フィールド・プレイヤーの意思統一、マイボールになったら前線へフィードなどせずに
徹底的にキープ。
監督としては選手交代もあったかもしれません。

 ともかく、この手のことは、今まで高い授業料払って散々学んできたんだけどなー。
このロスタイムの使い方が昔から一番うまいのはアントラーズでしょう。
レッズもアントラーズのようなずるがしこさも、ある程度は見習った方がいいのでは。
(すべてのプレーがアントラーズやフロンターレのような汚いプレーでは困りますけどね。)

 まあ、これがリーグ終盤でなかったことを良しとしましょう。

 ところで試合途中(ハーフ・タイム)に病院の電話が鳴る。
なんとHメガネのSさんから
「子供が耳とのどが痛いって、日赤にいったんですけど内科の先生が
中耳炎の初期だからってトミロン出したんだけど、飲んでもいいですか?」
「んー、中耳炎かどうかわかんないから、とりあえず飲まないでいいです。
すぐ、診察しますか。」
「でも、試合ですよね、今もハーフタイムになるのを待って電話したんです。」
「じゃあ、明日日曜日だけど診察します。
痛み止めだけ飲んで、もし何か具合が悪かったら、夜でもいいですから電話してください。
後半、がんばりましょう。」

 Sさんちは、一家挙げてのレッズファン。
皆さんがこういう心遣いをしてくださると、大変助かるのですが。

 ここで一首
「急患の電話で実は困るのは、真夜中よりも試合中なり。」 

皆さん、よろしくお願いします。

専門医試験と花火大会と犬

 先週末は足利の花火大会でした。
毎年8月の第一土曜日に行われるわけですが、
実は耳鼻咽喉科の専門医試験も、8月の第一土日に行われます。

 以前にも書きましたが、国家試験に受かって、5年間研修をすると専門医師件の受験資格ができます。

 もちろん、その間に指定された疾患に対する、治療経験、手術経験をこなし、
それをレポートにまとめて、教授のハンコをもらわなければなりません。
たとえば、扁桃腺の手術の術者が何回、喉頭がんの手術の第一助手が何回などというように、細かく決められています。

 それで、過去問の問題集を何回かやって、試験に臨むわけです。

 医師国家試験までは、学生なわけですから試験は日常的に受けます。

 ところが、専門医試験は5年ぶりに受けるペーパーテストなので
久々の緊張です。

 会場は東京で、2日間に渡って行われ、1日目の午前午後が学科試験で、
2日目が口頭試問です。

 私は当時、前橋に住んでましたが、結婚したばかりでした。
今年はひとつ、足利の花火大会を、ぜひ妻と見たい、と思ったわけです。

 そこで金曜日に、前橋を出て東京に一泊し、
試験を受けて、足利に行く。
妻は直接、足利に行っててもらう、。
翌日は、足利から東京に行き、試験を受けて前橋に帰る。
という、スケジュールを計画しました。


 で、土曜日の試験を受けて、夕方、足利へ。

 当時、花火は今よりもっと西のほう(ウチに近いほう)であがってました。
だから、渡良瀬橋、中橋は車両通行止めで
東武駅からは、歩いて帰らなければなりません。

 駅に着くと、もう花火は始まっていました。
「早く、家に戻らねば。」
あせります。

 しかし、当時、橋の上は見物客でごった返し、歩くこともままなりません。

 しかも、試験帰りで、カバンもってネクタイしてスーツ着て
「すいませーん。」
と、浴衣やTシャツの人をかき分けて進むわけです。
「何だ、こいつ」と思われたでしょーねー。

 あっという間に、汗だくです。

 へとへとになって、実家にたどり着きましたが
妻が浴衣を着て待っててくれたので、元気になって、また花火見物に一緒に出かけたわけです。




 さて、今年の花火見物は、犬の散歩をかねて織姫山の上に行ってみました。
昔から、織姫山の上はよく見える、と聞いていたのですが
実際に山から見たのは初めてです。

「うーん、やっぱ、遠くなっちゃってるなー。」
遠いわりに犬がビビりまくるので、早々と帰ってきました。

この時点では、音はなってない。
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  「どーーーん!」
ねえ、もー、かえろー。
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2008年フットサル第3節 猛暑、灼熱、8月の陣

 午前中、ショーグン小峰が、外来の患者さんに薬を届けにきた時
「おい、小倉、今日のフットサル、早く上がろうな、30分くらい。」
始まる前から、何 弱気なコトいってんだー。


 2008年フットサル 第3節 猛暑・灼熱、8月の陣

 おぐじびレッド・ダイヤモンズ 9-10 コミネアントラーズ (佐野市フット・エナジー)



 しかし、ショーグンの懸念どおり
この猛暑の中、室内開催とあって消耗戦が予想された。

 さて、今回、新たに新戦力。
まずは 前任者は高齢のため参加できなかったが、
今回担当交代により登場した「ザバス関口」。

そして、今回最大の目玉、大型新人「ジャイアント田所」。

 両名を加え、必勝体制のおぐじびレッド・ダイヤモンズ。

 一方、相手には「カセットコンロ岩谷」得意技は大外狩りとショパン(?)。
柔道家兼ピアニストの経歴は、どんだけ役立つのか?

 開始早々、私からザバスへのパス、これをザバスきっちり決めて先制。

 ザバス、やるじゃん。

 見た目は東南アジア系、ムエタイの選手みたいだが
ナカナカ、軽快なフットワーク。

 そして、ゴールを守るジャイアント田所。
得意技は、胃カメラだが、その次に得意なのがゴールマウスを守ること。
何を隠そう、こいつは大学時代ハンドボール部のキーパーだったという。

 そういえば、ボールのスローが、サッカーのキーパーと違う。
普通、サッカーのキーパーはボールを腕を回して投げるが、
こいつは、むんずとつかんで手首のスナップで投げる。

 何しろ、体がでかい。ザバスがムエタイ系なら、こっちはどうみてもプロレス系だ。
家を出るとき奥さんに
「他の人を、壊しちゃダメよ。
と、いわれてきたという。
 ・・・こっちのチームでよかった。

 そのジャイアントが好セーブ連発し、相手の攻撃を封じる間
私が2点目3点目をゲット。

 一方、相手はショ-グンコミネが、メガネを壊し戦線離脱。

 今日は、楽勝か?

 ところが、こちらは選手層がうすかった。

 その後も1点を取って、今日はもうオレはハットトリックしたからいいや
と、私とザバスが下がって、代わって出たのは
メタボ高橋とその息子(?)シャクハチ松枝。
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 この2人、体は、厚いが、戦力的には薄い。

 この時を、チャンスとみた相手は攻勢をかける。
モンチッチ金盛が、巧みな個人技で攻めあがる。
こやつ、疑惑のグァム旅行で、パワーアップしたか?

 一方、わが方は、合コン地獄を脱出したはずの、”婚約おめでとう”ヘリコ堀越は
ナゼカ、ワク外にシュートをはずしまくる。
そうか、ひょっとして結婚式までは中に出してはワクにいってはまずいのか?

 また、パレスチナ塩野は、ボールを持つと、味方がいてもパスは出さずシュートしか打たない。
自爆テロみたいな奴だ。

 一時8-3まで開いた点差は、じわじわ詰められ、第3クォーター終了時で8-6まで。
(ぶっ続けだと疲れるので、ハーフではなくて15分クォーターを4本やるのだ。)


 選手の消耗も激しい。
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 さあ、最後の、第4クォーター、残り15分だ。

 そして、その開始直後、ゴール前の混戦から私が9点目のゴールで9-6。
これで、楽になった。残り10分で3点差なら、いける。

 と、思いきや、ガクッと運動量の下がったわがチームを怒涛の攻撃が襲う。
ハカセが再三、ウラをつき、カセットコンロ岩谷も、謎のフェイントで攻め込む。
当初、鉄壁の守りをしていたジャイアント田所も疲れが出て
立て続けにゴールを割られてしまう。

 だー、疲れたー、もう走れねー、誰か交代をー、と思ってベンチを見るが、
みんな交代したくないので、誰も目を合わせない。

 相手は、メガネを壊してずっと休んでたショーグン小峰が出てきた。
何か、目をしょぼしょぼさせてる。
やはりメガネなしでは、見えないようだ。

 と、思ってる間に、3点取られナント同点に追いつかれた。

 時間は、もう、無い。
 あと、ワンプレーだ。

 と、フリーのショーグンのところに絶好のパスが。
ヤバいっ。
あ、でも大丈夫、こいつは目がよく見えないはず。
すると、ショーグン、ダイレクトでシュート。
げー、ボールはゴールマウスに吸い込まれ、そのままタイム・アップ、劇的な逆転負け。
何でだーーー!

 そうかー、いつもなまじ見えてるから、アタマと体の動きのギャップがあったのが、
うまい具合に補正されちゃったのかも。

本人の試合後のコメント
「よく見えてたら、一旦ボールをとめていたが、よく見えないので、そのまま打った。」

 うーん、なかなか含蓄のあるコメント。
要するに「心眼」ってやつですか。
まあ、別の見方をすれば、「まぐれ」ってコトか・・・。
これから、メガネなしで出ればー。

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ロックな高校生(あとがきみたいなもの)

 いやー、10回にわたって書き続けてきた「ロックな高校生」、
いかがだったでしょうか。

 これ、ほとんと完全に実話なんですが、こうしてみると結構ドラマチックな話で、
映画の一本も、撮れそうですねー。

 または、これを出版して、一気に文筆業へ転職、なーんて。

 ただし、なんせ、30年以上前の話なので、私の記憶のあいまいな部分とか、
間違って覚えてることもありますので、多少事実と相違する点はあると思います。

 当時の関係者で「いや、実はこうだった。」
などという方がいらっしゃればご一報ください。

 夏は、耳鼻科ヒマなので、外来のパソコンで、患者さんのいない間に
ブログがかけるので、楽です。
 今回書いてて楽しくて、あっという間に書き上げちゃった感じです。


 さて、O君の後日談なのですが、
先日、ライブに来たMちゃんとNちゃんに聞いた話です。
ライブのあと、打ち上げでみんなでスナックに行き、そこでその後の話を初めて聞きました。
30年も前の話になるわけです。


 卒業後、MちゃんはJ大学、NちゃんはF女学院に進学したそうですが(お嬢様ですねー)
バンドは解散したものの友達として交流はしてたそうです。
 で、OはS大に進学してました。

 大学1年の時、いとこのMちゃんに誘われて、OのやつF女学院の学園祭に
一緒に遊びに行ったそうです。横浜まで、2時間もかけて。

 でも、そのときも、Nちゃんのことを好きだともなんとも意思表示をせず、
また帰ってきちゃったそうです。

 Nちゃんに、その時聞いたとこでは
「その時は、もう彼氏いなかったからフリーだったのよねー。」
「告白されて迫られれば、付き合ってたかもねー。」

おおおー、何てことだ。


 しかし、その時一緒に話を聞いたMちゃんのコメントがよかった。

「そっかー、そうしたらひょっとして、あたしとNちゃん、親戚同士になってたかもしれないのねー。」


・・・・なるほど。
 場合によっては、 そういうことに、なりますな・・・。

ロックな高校生(第10話)

 市民会館大ホールの、緞帳(どんちょう)。

 子供の頃から、「オズの魔法使い」や「群馬交響楽団」や「柿山伏」やなんかで
学校行事でここに来て、この緞帳が上がるのを見たけど
(そのあと、公演が始まってからは、途中から客席で大体寝てたけど)
ステージの側から見るのは、初めてだ。

 会場は、暗くて、よく見えない。

 1曲目は「ストレンジ・カインド・オブ・ウーマン」。
イントロの、ギターとドラムは直前までナカナカあわなかったけど、
E君、今日は、バッチリじゃん。

 よーし、いい感じで始まった。

すると、突然ベースの音が消えた。

 どーした、O。

 間奏のときに様子を見に行くと、
どうも、シールド(楽器とアンプをつなぐケーブル)のトラブルらしい。
早くナントカしろー。

 しかし、女子高のNちゃんの件といい、こいつ、ついてねーなー。

 その瞬間、ステージの照明が、ストロボに切り替わった。
パッ、パッ、パッと光が点滅するので、ちょうどコマ送りのように姿が消えたり現れたりする。
O君は、がんばってアンプの前で格闘してるが
何か、コマ送りの動きがドリフのコントのように見えてしまった。(すまん。)


 そして、何とか復旧。

2曲目は「ラブ・チャイルド」。
曲後半からの、シンセがポイント。
これも練習では、ナカナカあわなくてギターのEと、キーボードのSはケンカしてたなー。
ボーカル的にはこの曲が一番きついので、これが無事終わって、一安心。

 で、最後はオリジナル「オールド・キャッスル~」だ。
大きなミスもなく、全体に気持ちよく演奏できた、と思う。
まあ、緊張してて、あっという間に終わっちゃった感じですが・・・。



 コンサートが終わって、来てくれた同級生に
「いやー、よかったよ。」
「カッコよかったじゃん。」
と口々に祝福された。
 バンドやってる先輩に
「オメーら、よかったじゃん。打ち上げに、飲みいくか?」
と誘われたが、酒も飲んだことのない我々は
「イエ、今日は遠慮しときます。」
と、断り、じゃあ、また、と別れて、おのおの家路に向かった。

 帰り道、また、ロンドンブーツでこぎにくい自転車をこぎながら
この数ヶ月の出来事を考えた。
これでバンドも、一区切り、今後はどうなるだろう。
少なくとも、こんな大きなイベントはないだろう
それより親父も死んで、俺はどうする、どうなる。
来年は、受験だし。

 夜の街、一人自転車をこいで行くと、もう息が白い。
そうか、女子高のライブの準備を始めた頃は、まだ暑かったけ。
 コンサート会場から、まとわりついてきた熱気を、晩秋の夜風が冷ましていく。

来年、再来年の今頃は、オレはどこにいて、何してんだろうなー、
などと考えながら黙々とペダルを踏む、17の夜でした。


         ~ロックな高校生 ・ 完 ~


さて、長らくご愛読いただいた、ロックな高校生の巻は
今回で、最終回です。
次回作にご期待ください。


ロックな高校生(第9話)

 さて、そんなわけで、ついにロック・ボックス当日を迎えた。

 朝、友達のお父さんの運転する軽トラで、機材を市民会館に運ぶ。
当時のシンセサイザーはやたら、でかくて、重い。



 で、そのあと、一旦オレは親父の四十九日だ。
お寺のあと、昼食になり
親戚のおじさん達なんかに
「これからは弘之君がな、しっかりしないとな、ウン。」
「そうそう、早く、お母さんを安心させないとな。」
などと、肩や背中をドスドスたたかれる。

 ウチの親父は酒を飲まなかったが、親戚は結構酒飲みが多い。
法要はナカナカ終わらない。

 仕方がないので
「スイマセン、ちょっと用事があるので、僕だけお先に失礼します。」
「おお、何だ、塾かなんかかい?」
「・・・イエ、・・・・ちょっとコンサートが・・・。出なくちゃならないので・・・。」

 この小倉のバカ息子は大丈夫か、という親戚の冷たい視線を背中に受けて、お店を後にした。



 さて、急いで家に帰って、学生服を着替える。
借り物のロンドン・ブーツを履いて、自転車に乗る。
 友人が「小倉が市民会館に出るんなら」と、わざわざ貸してくれたものだ。
この友人、何を隠そうOがふられた、かのA 君がいるバンドのリーダーのT。
長い髪を茶色に染めて、くるくるのパーマをかけたTは
実は、私とはロック仲間で仲がよかった。


 しかし、このロンドンブーツ。
 こりゃ、自転車乗りにくいわ。
かかとと、前の部分が高く、かかとは10センチもあるので
いわゆる土踏まずのところでペダルをこぐのだが、はまって、難しい。

 何回かこけそうになってやっと市民会館に着いた。

 みんなはもう集まっていて、すぐリハーサル。
「モニター、どうですかー。」
なんて、PAの人に言われても、今までモニターなんぞのあるステージで演奏したことがないので、
何がどうなんだかさっぱりわからない。

 分け分かんないうちに、音あわせが終わり、控え室に。

   うわー、ケムイー。

 出演バンドは大学生のバンドが1つ、社会人のバンドが2つで、高校生は我々だけ。
まじめな高校生だった我々は、もちろんタバコは吸いません。
控え室はタバコの煙もうもうで、ボーカルの私は、中にいられず廊下で待っていた。




 そして、夜7時、ついにステージの緞帳(どんちょう)が上がったのだった。



感動(?)の最終回につづく。

 

ロックな高校生(第8話)

 結局、直接手渡しするのは勇気が出ず、
いとこのMちゃんにお願いすることに。

 「まあ、来てはくれるだろうが、そのあとだな、問題は。」
 「でも、市民会館の大ホールだろー、かっこいいぜー。」
 「そうだよ、誘われれば、その気になるよ。」


 さて、その結果は
「おー、O,どうだった?」
「渡した?」
「来てくれるって?」

「・・・ウン、渡してもらった。来てくれるって。」
「おー、やったじゃん。」
「・・・でも、チケット2枚くれって。」
「・・・?」
「・・・彼氏と、来たいって。」
「彼氏ーー?彼氏って・・・。」
「1組のAって奴と付き合ってるらしい。」
「1組って、足高か?」
「そう・・・。」
「ありゃまー。」
「で、そいつ、バンドやってるんだって。」
「バンド、足高で!」
「4組にTっているだろ、ギター弾くやつ。
そいつんとこのバンドでベース弾いてるやつだって、彼氏・・・。」


 な、何と、Nちゃんには付き合ってる彼氏がいた。
しかも、同じ高校の同級生で、しかもバンドやってて、しかも事もあろうに、同じベーシストだという。

 そりゃ、悲劇だ。


 早速、次の日1組の教室までそのA君を見に行った。
「あいつかー。ちょっと、Oよりかっこいいなー。」
「なんか、チャラチャラしてて弱そーだけど、確かに女にモテそうだな。」
「ちょっと、こりゃ勝てねえなー。」
「ウン、負けた負けた。」
(これは、本人には、言えない。)


 しかし、そうとばかりも言ってらんない。
本番は、もうすぐで、ここでOが、落ち込んでたのでは、われわれが困る。

「いや、O、元気出せよ。あいつのバンドは、へたくそらしいぜ。」
「そう、ベースは絶対、お前の方がうまいって。」

 (これは、でも事実だ。
Tのバンドは、聞いた奴によると演奏はほとんど話にならないくらいのレベルだという。)

「そうだよ、お前のベースは最高だぜ。」
「女なんか、カンケーねーよ。」
「アグネス・ラムちゃんがいるじゃねえか。」

(実は他のメンバーも、彼女がいないので、この結末に少しほっとした面があったりする。



 この件について、この間、ライブに来てくれた2人に直接聞いたところによると
ドラムのNちゃんばかりか、
いとこのMちゃんも、OがNちゃんを好きだということは知らなかったそうだ。
つくづく、シャイな奴、O。
でも、Mちゃんも察してやれよ。


 そんなわけで、Oの恋は、実を結ぶことなく、ロック・ボックス本番を迎えるのであった。

ロックな高校生(第7話)

 「やっぱ、ここで練習するしかねーよ。」
 「あと1ヶ月ってことで、何とか練習させてもらおうよ。」
 「そうだな、みんなで、頭下げて、あと1月だけ、その後はやりません、ってことで。」
 「なんか、持ってった方がよくない?」
 「そうだな、こーゆー時は、菓子折りだ。」
 「じゃあ、小泉哲ちゃんちで、最中、買ってこ。」
 「おー、そりゃ名案。」

 哲ちゃんは我々の同級生で、実家は老舗の和菓子屋さんだ。

 というわけで、我々は小遣いを出し合って、最中を買い
それを持って、近所の家を一軒一軒回った。

「あと、1ヶ月だけです。」
「それ以後は、絶対音を出しません。」
「夜も8時以降は練習しません。」

 メンバー全員で、頭を下げて回った。


 その甲斐あって、何とか、本番までの練習許可を取り付けたのだった。

 「よかったなー。」


 練習にも力が入る。
曲も決まった。
1曲目にディープ・パープルの「ストレンジ・カインド・オブ・ウーマン」
名盤「ライブ・イン・ジャパン」のバージョンだ。ギターとボーカルの掛け合いがウリ。

2曲目はやはりパープルの「ラブ・チャイルド」
こちらはギターがトミー・ボーリンに変わったあとのアルバム「カム・テイスト・ザ・バンド」
からのナンバーだ。
リフがツェッペリンの「ハートブレイカー」に似ている。

そして3曲目は、オリジナル。
ギターのEと、私で作った「オールド・キャッスル・イン・マイ・ハート」。
・・・うーむ、今聞いたら赤面するようなタイトルじゃ。

 パープルの「チャイルド・イン・タイム」で始まって
ツェッペリンの「天国への階段」で終わるようなパクリまくり、の曲だ。

 本当は「チャイルド~」なり「天国への~」なりで、盛り上げて終わりたいのだが
それらは難しすぎて手に負えないので、それっぽい曲をでっち上げた、というのが真相だ。


 そして、ついにポスターとチケットができた。
よーし、女子高のNちゃんを誘うんじゃ。
いけ、O!



 さて、Oの作戦は果たして功を奏するのか。

ロックな高校生(第6話)

 「あー、やべぇやべぇ、練習に遅れちった。それにしても、ギターもつと自転車乗りにくいなー。」

 当時、肩から背負えるような今みたいな気の利いたギターのソフトケースなんてない。
高いギターにはハードケースがついてくるが、私が買った最も安いクラスのギターは
3角のダンボールの箱に入ってた。

 そこで、以前買ったフォーク・ギター用のソフトケースにエレキ・ギターを入れて
手でぶら下げて、自転車で練習場に向かう。
このソフトケースが、チェックの布製で、ダサいったらありゃしない。
まるで、昔よく見た服をかける「ファンシー・ケース」みたいな感じ。


 しかし、当時エレキはまだ、珍しい。
明らかに不自然な形のケースをぶら下げていくと
すれ違う男子中学生が「お、エレキだぜ、あれ。」などとささやくのが耳に入る。
「ふふふ、そうだよ少年たち。この中はエレキ・ギターなのだよ。」
などと、心の中でささやかな優越感を持って自転車のペダルをこぐわけだ。

 学校から、帰って学生服を脱いで、ベルボトムのジーンズに履き替えて
練習場に向かうわけだが、ジーンズのすそがぴらぴらしてるので
ギター下げて油断して自転車こいでると、チェーンにすそが巻き込まれてしまう。
んでもって、がに股でのったらのったらこいでいくわけだ。



 さて、そんなわけでその日、時間に遅れて練習場に着いた。

あれ、音がしてねーぞ、
「いやー、わりい、わりい、遅くなっちった。あれ、どしたの?」
なんか、みんな深刻な顔をしている。
「さっきさ、コシヌマが来たんだ、ここに。」
「えっ、コシヌマって、英語のコシヌマ?」
「そーだよ、足高の先生のコシヌマだよ。」
「何で、また?」
「俺たちの練習がうるさいって、近所の人から高校に苦情がいったんだ。
だから、先生が来て、もう音出すなって。」

「音出すなったってあと1ヶ月だよ。練習しなきゃ、まだオリジナルだって全部できてねーじゃん。」
「だーから、困ってんだろーが。」

 キーボードを加えた我々はオリジナルに挑戦していた。
主な理由は、既存の曲だと難しすぎて我々の演奏能力を超えてしまうからである

完成までまだ、時間がかかるが、何回もスタジオを借りる金なんてあるわけない。

「もうすぐ、チケットとポスターもできんだろ、そしたら、O、彼女誘うんだろ!」
「どーすんだよー。」
 


さて、どうしよう。



 練習はできない、曲はできてない、時間がない、
せっかく苦労してここまでこぎつけたのに、
いったい今後、どうなるんでしょう。
物語は、いよいよヤマ場を迎える。


ロックな高校生(第5話)

 さて、ロック・ボックスに応募して、結果を待ってるうちにトンデモナイ事件が起きた。

 ナンと、私の父が急死しちゃったのだ。
やはり耳鼻科医をやってた私の父は10月9日の土曜日までフツーに診療を行っていたが
10月9日夜、急に体調を崩し、激しい胸痛に襲われる。
ところが10月10,11日と連休の前だったためか、知り合いの医者は誰も捉まらず、
翌10日早朝、救急車で日赤に。
しかし、その日のお昼過ぎには息を引き取ってしまった。


 急性心筋梗塞、57歳だった。

 今、私が考えると、働きすぎとタバコの吸い過ぎかな。
何か、前兆は無かったのか、何とか回避できなかったのか、悔やまれる。
毎日、毎日朝から晩まで、夜間、休日は急患の診察も絶対断らず、
何でこんなに仕事するかな、と思ったものだ。


 しかも、翌11日から私は、足高の修学旅行に行く予定だった。
当然旅行は行けず。
まあ、旅行に行く前で、親の死に目に会えたのは、まだ良かったのか・・・。


 旅行から帰ってきた同級生たちが、線香上げに来てくれたが、
その時、ベースのOが、
「あのさー、こんな時に、なんなんだけど、ロック・ボックス通ったんだけど・・・。」
「お、ああー、よかったじゃん。」
「でも、小倉、出れる・・?」
「いや、出ようよ、出るに決まってんじゃん。」

 いきおいで、答えた面もあったが、ここでやめちゃうとますます落ち込んじゃう気がしたし、
バンドに打ち込んで、悲しみを忘れたい、っていうのもあった。


 北海道帝国大学出身で軍医上がりの父は、男が音楽やるなんてとんでもない、という感じで
ロックはもちろん、クラッシックも演歌もジャズも興味なし。
風呂で歌うのは、軍歌か大学の寮歌だった。

 オレがいつもギターを弾いてると、しぶい顔して、露骨にうるさがるくせに、
その土曜日だけは、昼間、「やってるな、修学旅行にカメラもってげよ。」
と、珍しく、ニコニコ声をかけられた。
たまにそんな事いうから、死んじゃうんだよ、まったく・・・、親父の奴・・・。



 後で、調べると、ロック・ボックスの当日は、ナント父の四十九日の日だった。
結局、母と交渉して、法要が11~2時までなので、そのあと会場に向かうことになった。


 
 さて、予選通過の結果を聞いてドラムの I も修学旅行をあきらめ、私も出場の目途がついた。
メンバーも固まり、このまま、本番まで、突っ走るぞー、と思ったが、
さらに最大の試練がわれわれを襲うのであった。
さて、その試練とは・・・。(まだ、つづく)

ロックな高校生(第4話)

 「じゃあさ、どうやったら、ロック・ボックス出られるかだよ。」
 「んー、フツーに考えりゃ、まず無理だな。」 

 足利、太田、館林といえば、相当な人口だ。
バンドがいくつあるか知らんが、大学生、社会人OKなので、うまいバンドも多いだろうから
バンド暦1年足らずの高校生のガキが出られる可能性は、かなり低い。

 「なんか、K楽器にアピールする点がないと。」
 「そうだ、E、お前ギター新しく買えよ。」
 「そうだよ、お前の4万円のグレコのテレキャスじゃあ、市民会館のステージよえーよ。」 
 「ああー、そうだどーんと買っちゃえよ。そうすりゃ、考慮されるかも。」 
 「そんな金なんかねえよ。つーかそーゆーこと、かんけーないらしいぜ。
  それより、その件に関しては、もう手が打ってある。」

 「何だよ。」
 「1組のAがいるだろ、あいつが8万円のフェルナンデスのレスポール持ってるのよ。」
 「おおー。」
 「ちゃんとセットネックのやつだぜ、それをな、もし通ったら貸してくれるそうだ。」 
  せ、せこい、せこすぎるぞ。


 レス・ポールはジミー・ペイジで有名な憧れのギターだが、
もちろん本物のギブソンは新品で当時35万円もした。
だからみんな国産のコピーモデルを使ってたわけだが
安いやつはボルトオンネックといって、ギターのネックがねじで止めてある。
高級品になるとセットネックといって、木材の段階で加工して接着してありすごく弾きやすいわけだ。
最近は、廉価版でもセットネックがフツーだが、当時はセットネックというと「おおー」といったもんだ。
もっとも、今日日の高校生はいきなりギブソンだ、フェンダーだとか買いやがる。
ふざけんなよ、オヤジはおこるぞ。

 当時のオレのギターなんて、さらに安い定価3万5千円のグヤトーンのストラトで、
楽器屋さんに注文する時
「いまどきグヤですか、よくこんな安いギターカタログから探しましたねー。」
と言われてしまった。


 ま、そんな話はどーでもいいや。


 その時誰かが
 「やっぱ、パープルやるんならキーボードいなきゃなー。」
 「そうだ、2組のSどうだ?」 
 「あいつ、この間シンセサイザー買ったんだよ。20万以上したらしいぜ。」 
 「おおー、シンセかー。」 

シンセサイザーは当時まったく新しい楽器として、特にロック界で注目を集めていた。
そのほんの数年前までは数百万円もしたのだが、
20万円前後のモデルがようやく出てきたとこだった。
しかし、まだまだ珍しい楽器でディープ・パープルや、プログレのバンドは使っていたが
例えば、クイーンなんかは当時まだ使ってなかった。
シンセがあるバンド、って言うとそれなりのアピール度があったわけだ。
今でこそ、9800円で当時のシンセの何倍もの機能があるやつが買えるのだが・・・。

 で、とりあえずSに打診すると2つ返事で加入が決定。

 Sは、やせてて弱そうで、理知的な感じがして、いかにもキーボードプレイヤーって感じのやつだ。
足高のブライアン・イーノといったとこだが、
ルックスはどっちかというとスパークスのメイル兄弟のお兄さんの方のちょび髭を取ったような感じ。
うーん、わかる人しかわかんないっすね。
プログレッシブ・ロックが大好きでイエスなんかを聞いていた。


 さあ、そんなわけでメンバーが5人になり、体制が整った。




 そしたら、今度はドラムの I がいきなり言った。
「いや、やベーよ。」
「何だ、どーした。」
「いや、俺さ、そのロック・ボックスの日、どうも修学旅行みてえんだよ。」
「げげげ、まじ?」


 他のメンバーは足高なんだが、彼だけは私立の高校だ。
修学旅行で九州に行くという。
さて、どうしたものか・・・。ドラムなきゃ、始まんないし。


さて、修学旅行はどうするか。
そして、さらに大きな問題が。
波乱の次回を待て。

ロックな高校生(第3話)

 「いやー、こないだはよかったよなー。」
 「俺たちの、ファンクラブとかできたりして。」 (んなモン、できるわきゃねえ。)
 「前の、女の子俺のほう見てたよ。」 (そりゃ、見るだろ、演奏してんだから。)

女子高ライブが終わって、再び練習場に集まり、
練習もせずに、あれこれ勝手な見解を述べる我々。

 そん中で、ベースのOがボーとしてる。
「おい、よかったな。お前のおかげだよ。」
「うん・・・。」
「どした?」
「いや、可愛いかったなと思って。」
「へ、可愛いかった?お前のいとこのMちゃんか?」
「そうじゃねーよ。Nちゃんだよ。」
「だれ、それ。」
「ドラムやってた子だよ。」
「あーーーーーーーーー!」
いっせいにのけぞるメンバー。
そっかー、あの子かー。

 確かにドラムやってたNちゃんは、なかなか可愛かった。
「お前、あーゆータイプ好きなのかー。」


 O君は当時「アグネス・ラム」のファンだった。
練習場には、オレがわざわざ彼のためにトヨタのディーラーからもらってきた
でっかいアグネス・ラムの水着ポスターがはってあった。
(ちなみに私は以前述べたようにキャンディーズ派でギターのEは片平なぎさのファンだった。
このEの趣味は謎だ。)
まあ、彼女がアグネス・ラムに似てるかはともかく。

 にわかに盛り上がるメンバー。
「どうする、どうする。」
「告白しろ、告白。好きだって言っちゃえ。」
「まあ、多分無理だと思うけどなー。」
「いや、わかんねーぞ、人間、趣味も好みもさまざまだからな。」
「そうだそうだ、俺も片平なぎさのどこがいいかわかんねーし。」
「片平なぎさを悪く言うな。」

他人事なので、ほとんど無責任な発言が多い。

 しかし、Oはシャイで有名。いい奴なんだが、その手のことには弱い。
とても告白する勇気なんてありゃしない。

そこで、めずらしく建設的な意見が出た。

「今度のロック・ボックス、もし俺たちが通ったらチケット渡して来てもらうのはどう?」
「おー、それ、いいかも。」

 ロック・ボックスというのは、地元の楽器屋さんが主催してるイベントで
足利、太田、館林の3市からバンドを募集し、テープ審査で4バンドを選ぶ。
これに通ると、プロの機材、ミキシングで足利市民会館大ホールで演奏できるってわけだ。

「よし、そうしよう。」
シャイなOも、そこまで行けばやる、ということで納得した。

 そんなわけで、我々は新たな目標に向かって活動を再開したのだった。
(ちなみに、このドラムのNちゃんが、この間CRPのライブに来てくれた人です。)



さて、そんな我々の前に思わぬ試練が待ち受ける。
果たしてアースバウンドはロック・ボックスに出られるのか。
そしてOの恋の行方は・・・。
風雲、急を告げる第4話に、乞う、ご期待。

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プロフィール

おぐぐー

Author:おぐぐー
昭和60年群馬大卒
開業医4人を中心としたロックバンドC.R.P.のリード・ボーカル&ギター担当
浦和レッズ・オフィシャル・サポーターズ・クラブ会員
家族:妻(耳鼻科医)1男1女1犬(柴犬)
http://ogujibi.com/

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