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マダムの天ぷら


 さて、いよいよ大晦日ですね。

 朝、犬の散歩ついでに、織姫山の「蕎遊庵」によって、頼んでおいた年越しそばを持って帰る。


 このお蕎麦屋さん、結構おいしくて有名です。
おりひめ茶屋 蕎遊庵」参照。

 毎日犬の散歩で登る織姫山の神社のちょっと下にあります。




 年越しそばと言えば、妻との会話で思い出した医局時代のお話があります。



 今を去ること約20年前、私と妻は大学の耳鼻科医局に勤務していました。
(まだ、独身でした。)



 毎年、年末になると、最後は医局や研究室などの大掃除をし
みんなで年越しそばを食べて仕事納めになります。

 そのそば代は毎月医局員から集めている医局費から支払われます。

 そばは近所のお蕎麦屋さんからとるのですが、医局費が限られてるため、
「もりそば」を頼んで、
天ぷらはスーパーとかで買って安く上げます。


 その天ぷらを買ってくるのは新人の仕事。



 ある、年末のこと。



「じゃあ、S先生、これで天ぷら買ってきて。」
と、医局の会計の先生からお金を手渡されたのは新人の女医、S先生でした。


 このS先生、新人とはいえ、既婚者でその年に結婚しています。

 何でも、実家は老舗の造り酒屋で、大変な資産家らしい。
お手伝いさんなんかもいる、いわゆる「お嬢様」。
リッチでグルメでおしゃれでゴージャス好き。
態度も落ち着いていて、新人らしからぬ「貫禄」があります。


 その雰囲気からニックネームは「マダム」。

 みんなが「マダムS」と呼んでるツワモノでした。



 さて、大掃除が終わり、そばも届き、マダムSが天ぷらを買ってきました。


「さあ、食うぞー。」

「・・・・あれ、天ぷら、こんだけなの、S先生?」

「それだけしか買えなかったんです。」

「えー?」


 マダムはグルメなのでいつも医局員が買出しに行く近所のスーパーではなく、
駅の近くの「デパ地下」で1本400円もする「特大車海老天」を買ってきたのです。


 イカ天、野菜天、かきあげ、小さいエビ天なんかを買ってもらうつもりでお金を渡した会計の先生の、

「S先生、なんだって、こんな高い天ぷら買ってきたの?」

との、問いに、S先生は平然と、のたまわった。

「だって、こっちのほうが美味しいでしょ。」




 医局員一同、マダムのその堂々とした態度に誰も全く反論できず、
その年は、ジャンケンで負けた人は、泣く泣くただの「もりそば」を食べたのだった。





 あれから20年ほども経ちますが、私も妻も結構鮮明に記憶してました。
ただ、自分が天ぷらが食えたかどうかは、どうもよく覚えてないんですが。
(ということは、食えた、って事だろうか。)



                     


 さて、今年2009年も「ロックな耳鼻科」ご愛読、誠にありがとうございました。


 来年も、より一層がんばりますので、応援よろしくお願いいたします。

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 それでは、良いお年を!

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新型インフルエンザがもたらしたイイこと?

 本日30日で、今年の正規の診療が終了しました。

 最後まで、インフルエンザの予防接種があり、
しかも、季節性と新型と入り乱れて接種しながら、
かつ、同時にインフルエンザの診断もしてるというのはある意味異常事態。

 まあ、こんな年は、あとにも先にも今年だけだろう。


 予防接種のシリンジは「季節性」と「新型」の打ち間違いがないように
当院では注射器の色分けがされてます。


 こんな感じ。
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 白のピストンが従来からある「季節性」、緑のやつがいわゆる「新型」のワクチンだ。


 中には同じ日に両方打ってく方もいるので、
これ、わかりやすくて良いでしょう。



 そういや、むかしむかし、オレが子供の頃の予防接種で、
当時は注射器は今のように使い捨てではなく、ガラス製だったわけだが、
紫色のピストンで、なんかすごく痛そうで怖い感じがした記憶がある。



 普通のガラスの注射器は透明か、薄いグリーンだったと思うけど、
あれ、なんで紫だったんだろ。


 あと、体育館で2列に並んでると、先に注射した奴で
「こっちの先生のほうが痛くないそ」
などという奴が必ずいて、
じゃあ、って事で、みんなそっちの先生のとこばっか並んでると、
先生に
「ほれ、そこから後ろは、こっちの列にまわりなさい。」
なんて、移動させられて、がっかりー、みたいなこともあったわな。


 まあ、今シーズン、そんな、子供の嫌いな注射を
最大4回も打たなければならなくなっちゃったのは
厚労省の上のほうの人がトロかったからだからね。




 ところで、ここに来てふと気づいたことなんだけど、
この12月、感染症が例年より少なかった気がします。

 普通の風邪はもちろん、ロタウイルスとか溶連菌とか
いつもはこの時期流行する感染症が、それほどでもない。
それに伴う中耳炎などの2次感染症も、当然少ない。


 ってのは、ひょっとして、新型インフルエンザ騒ぎで
手洗いやマスクが本気で習慣化されたことが一つの要因?

 一方、学校、保育園や会社側も、発熱者を休ませたり、学級閉鎖を積極的にすすめ、
また家庭や両親においてもも具合が悪ければ欠席させるという考えが
例年より強化されたことも関係あるのではないか、と思ってます。



 もしそれがオレの気のせいで無ければ、
新型インフルエンザも、ちょっとは良い事あったのか??




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凹んだ。


 先日のクリスマス・パーティーの日、
実は、会場に向かう途中で事故にあっちゃったのだ。


 ギターやなんかを積んでディスカバリー(愛称ディスコ)で直線道路を走ってると、
わき道から不意に車がとび出てきた。
ちょうどサクがあって、こちらからは全く見えないとこだったのだ。
道路の反対側の、また細い道路まで横切ろうとしたらしい。



 あわてて急ブレーキを踏んだが、ぎりぎり止まりきれず、通りすぎようとした相手の車の後部に衝突。



 私の車はそこで止まったのだが、相手の車はスピンをして、
近くの側溝へ転落。


 相手のオバサンドライバーも私も、双方怪我はなかったが、現場見た目はけっこう大事故。


 警察が入り、レッカー呼んだり、野次馬イッパイ。

 通りかかったパーティーでドラムやる予定のカナちゃんも降りてきてびっくり。


 おかげで私の「ディスコ」はこの有様。

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 まあ、相手のダメージを考えれば、ディスコ、頑丈だ、っていうことだが。

 カナちゃんが偶然持ってたビニールテープで応急処置をして、
何とかパーティー会場までたどり着いた。


 片方ヘッドランプつかないし、もちろん、代行運転も頼めないので、一晩そこに車を置いて、
翌日ガムテープをもって取りに行った。



 恐る恐る、足利まで戻ったが、とんだ災難だった。

 んで、愛車は今朝入院しました。
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 まあ、この正月スキーに行く予定など無くてよかったです。



 でも、けっこう凹みました。(車以上に私が)

何より、フロントの浦和レッズのナンバープレートフレームが壊れちゃったのが痛い。



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楽しいクリスマス2009

 昨夜は、毎年恒例のCRP主催クリスマス・パーティーでした。

 今年も大勢の方(多分200人超?)にお越しいただきありがとうございました。

 今年もライブはバリバリだぜ。
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 んでもって、今年の「お楽しみ企画」は予告どおり「ノグ&ナベ」の「サウンド・オブ・サイレンス」。
野口先生は「鹿児島ラサール中」時代にこの歌詞を英語の先生に暗唱させられたという。

こうしてみると、一見オヤジカラオケだが、
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 バックはエレキ・ギターに前原先生、私がアコギ、
ベースはRad Unionのエミちゃんのダーリンにお手伝いいただき
ドラムは何と土井先生です。
けっこう、上手く行ったと思いますが?
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 最後は、やはり「ハッピー・クリスマス」!
出産間近のエミちゃんもコーラスで参加。
-(マイナス)1歳で初ステージとはきっと音楽好きなお子さんが生まれますね。
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 そして、「おまけ」は、これまた「予告済み」の「きみまろ&ザ・ドミノス」。
私は「エリック・クラプトン」に変身(変装?)
しっかし、めちゃめちゃ怪しい2ショットやなー。
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 演奏後、なぜかいなくなっちゃった「きみまろ」抜きの「ザ・ドミノス」の面々。
全員で合わせたのは当日のリハ一発、ってことではまあ上出来?
いい加減ヒゲ取れよ。
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 で、その後、ビンゴ大会などもあり、大いに盛り上がってパーティーはお開きに。
毎年ながら、この大パーティーを企画運営している野口先生には大感謝です。

 また、準備やビンゴ大会を仕切ってくれたスタッフの皆さん、
エミちゃんのRad Union、スリルのある(?)手品を披露してくれた藤本さん、
尺八連弾(!)の松ちゃん夫妻もありがとうございました。




 そして、2次会は恒例の「おぐじび忘年カラオケパーティー」へとなだれ込んでいく。
毎年、この場面の画像は、ネットにアップするのがはばかれるのも多い。

 そんな中、何故か「から揚げ丼」を食べている「エリック」改め「秋篠宮」様。
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 楽しく、激しい一夜が過ぎていく。


 最後は全員で1枚と思ったら、入りきらないので2枚ですが、
実はこれ、年齢順に並んでます。
最年長が「関根さん」、一番若いのは来年成人式の「マリちゃん」です。
時に、え、このヒトここなの!という人がいますので、ヒマな方は探してみても。
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 皆さん、今年も大変お世話になりました。
来年もよろしくお願いします。
良い、お年を!




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苦手なモノ

 生理的に苦手なもの、ナゼカわかんないけどダメなもの、ってけっこうあります。

 ヘビとかゴキブリなんてのは一般的に多いですし、
中にはイヌは子犬でもダメ、なんて人もいたりします。
ちなみにウチの奥さんは「蛾」が全然ダメです。


 で、私、動物ではないのですが、ダメなものの一つに、
「長い爪」があります。


 人間の、「長い爪」苦手です。
不潔に伸びてる爪や、小指の爪だけ伸ばしてるオジサンは論外ですが
若い女性の「伸ばした爪」が苦手。


 ネイルアートなんて、気が知れない。

 長い爪見てると、お尻がムズムズ背中がゾクゾクしてきます。


 痛そうだし、折れたり割れたりしそうだし。
(だから付け爪は、まだ許せる。)



 何故、いつからなんだろ。


 別に、若い頃、女性に爪でやられた、なんてことはありません。
(ホントに)


 考えてみると、自分自身の爪が伸びてると大変気になるたちだから、かも。



 医者になると、病院時代はほぼ毎日手術がありました。
オペ室では手術前必ず「手洗い」をします。


 デッキブラシみたいな硬いタワシで、爪の間をゴシゴシ3分以上3回も洗います。
オペが3つなら3回×3回で9回、3つなら4回×3回で12回・・・。


 当然外科医は爪はこまめに切らなくてはいけません。




 また、私はギターを弾きます。

 それも、激しいロックなので、ガシガシ弦をかきむしるように弾くわけです。
ジャズやフュージョンみたいな気取った弾き方ではないのです。

 ピックも削れて粉だらけになりますが、爪も右の人差し指だけ削れてえぐれてしまいます。
もちろん、左の爪が伸びててはコードが押さえられません。


 それで、爪伸びてるとケガの元なのです。



 ここらへんが原因なのではないか、と自分では思ってます。


 どんなにキレイな女の人でも爪が長いと引いちゃいます。


 逆に、外来で爪きれいに切ってある若いお母さんなんかみると
「お」などと思ってしまう。


 お子さんが小さければお母さんの長い爪は実際危ないですよね。



 お、そーいやウチのイヌの爪も伸びてきたなー。
これ、以前も書いたけど、大変なんす。
恐怖の爪きり」←クリックしてお読みください。




宴会の仕込み

 年末恒例のCRP主催4院合同忘年&クリスマス大パーティーが
今週末に迫ってきました。


 今年も、冠稲荷グリーンパレスで「盛大に」行います。

 もちろんCRPの演奏もバッチリ、(否応無く)聴かせられます。


 これまた恒例のお楽しみ企画「CRPメンバー・パートとっかえコーナー」もあります。

 これは、バンドのメンバーが普段担当してるのとは違う楽器で演奏し、
お互いの相互理解とリスペクトを培うという「宴会芸」です。


 3年前はドラムの野口先生がボーカルでプロコルハルムの「蒼い影」。
私はキーボードを担当しました。
 2年前はベースの前原先生がボーカルでディープ・パープルの「スモーク・オン・ザ・ウォーター」。
私はドラムを担当。
 記憶に新しい昨年はリード・ギターの土井先生がボーカルでセックス・ピストルズの「マイ・ウェイ」。
私はベースを担当。

 んで、今年は一回りして再び野口先生のボーカル(&助っ人サックスのナベさん)で
サイモン&ガーファンクルの「サウンド・オブ・サイレンス」!
私は、今回はアコースティック・ギターを担当します。


 こうしてみると、ロック、ポップスの名曲、しかもCRPではナカナカ演らない曲が並んでいて
偶然ですが、それなりの統一感がありますなー。


 今回は私はアコギなのでドラムやキーボードに比べると大分楽だ。



 しかし、今回はCRPとは別にもう一発。


 昨年ギターカラオケでパープルの「バーン」をやって大ヒンシュクだった
ギターオヤジ「藤生きみまろ」が是非、ってことで、バンドを組んで1曲披露します。

 メンバーはリード・ギター「藤生きみまろ」ベース「ガッツ添野」キーボード「エリリン竹居」
ドラムはキム薬局長の娘「カナちゃん」そして、私がボーカル、サイド・ギターを頼まれちゃいました。


 しかも演目は何と、かのエリック・クラプトン大先生の「デレク&ザ・ドミノス」時代の
ロック史に燦然と輝く超名曲 「レイラ」!


 無謀だー。


 んで、昨夜は、その「きみまろ&ザ・ドミノス」の最初で最後の練習。
コグレ楽器のスタジオ初めて利用しました。
(正確に言うと高校生の時、昔のコグレ・レコードのスタジオ使って以来32年ぶり)
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 さて、ご覧になってわかるように当の「言いだしっぺ」きみまろ氏がいない。


 何と彼は、急に東京に転勤になって、本番ぶっつけなのだ。


  マジかよー。


 どうなることやら。


 まあ、いわゆる宴会芸なので、当日は軽く笑ってやってください。



拍手ボタンのほかにこんなの↓もつけてみました。
良かったらこれも押してみてね。





世界一受けたい授業

 なんか前回「拍手ボタン」について書いたら、すごい数になっててあせりました。

 応援、まことにありがとうございます。


 話変わりますが、先日、私の大学時代の同級生がテレビに出ていました。

 
「世界一受けたい授業」!


 これです。

 「世界一受けたい授業


 すげーよ、サトル!


 高橋悟君は私の大学時代の同級生で、今は日大の泌尿器科の主任教授です。


 いやー、日テレ、地上波、しかも土曜日のゴールデンタイム。

 オレのチンケなブログとはケタが違うぜ。
(いや比べるほうが・・・・)



 しかし、大学時代、ともに彼女がいなくて、
土曜の夜、オレの下宿のコタツで、酒飲みながら一緒に「オールナイト・フジ」見てた
あのサトルがなー。

 立派になって、オレはうれしいよ。


 しかも、驚いたのは
「上手い!」
ということ。


 あの堺正章氏をはじめとした、そうそうたる芸能人の方々の前で
(といっても私は他は知らない人ばっかだったけど)
そつなく、にこやかに、滑らかに講義してましたねー。


 いやー、びっくりしました。



 実は、私、学生時代に脚本書いて監督やって映画撮ったことがあって、
そん時サトル君にも医学生役で出演してもらったんだが、
喫茶店でランチのピラフ食いながらしゃべるシーン、
何回撮りなおしたことか。



 セリフ、一つだけだったんだけど・・・。


よかったら、押してみてね


 毎日のようにブログを書いてると気になるのは、読者の反応。

 書いてはみたものの、別にお金もらってるわけではないが
読んだ感想は作り手としては大変気になるところだ。


 ライブだと、お客さんの反応は直に伝わるのだが、
ブログではなかなか相手の顔が見えない。


 コメントを書いていただけるとすごくうれしいし、
(いつもコメントくださる方々、大変感謝しています。)
患者さんなんかは、外来で「先生、読みましたよ。」
なんて言っていただけるのは、さらにうれしい。


 中には、つい先日、私のブログを読んで、全く初診の患者さんが
「この先生だ。」と思い、車で2時間もかけて茨城県から来ていただいた。
これなんかは全く光栄の至りです。



 そんな、大げさではなく、このブログには「拍手ボタン」ってやつがあります。


 ブログを読んで、ああ、そうだよねー、とか、よくがんばった、とか、面白かった、
なんて時に、ポチッとおしていただけると、拍手数がカウントされるってやつ。


 これがなかなか励みになる。



 最近では「今度の日曜日、インフル外来します。」が、皆様の支持を受け
大変心強く思ったもんです。




 そしたら、先日書いた花粉症の記事がちっとも「拍手」カウントされない。
まあ、そんなたいしたことはないけど、何となく気になるわけです。
なんかまずいこと書いたかな、なんて。


 そしたら、サーバー側の拍手カウントの不具合があったってことが、
ブログサーバーからの連絡にあって、実際には拍手もカウントされており、
ホッとした次第です。



 そんなわけで、皆さん、筆者の励みになりますので
今後もちょっとでもいいなと思ったら
「拍手ボタン」お願いします。
もちろんコメントも大歓迎です。



 ちなみに、この間まで過去最高の拍手数を獲得してたのはこの記事です。
まだお読みでない方もいらっしゃるかと思いますので、
時期的にもちょうど良いので、この機会に是非ご一読ください。
今からちょうど1年前、去年の12月に書いたブログです。
 「A美ちゃんの瞳




ファン・ヒーターの修理


 先月、寒くなってきたので、しまってあったファンヒーターを出してきた。


 ところが、スイッチを入れると点くには点くのだが、
温度設定のダイヤルが何度やっても自然に最高の30度まで上がってしまう。


 これでは困るので、購入した「Y電機」に修理のため持ち込んだ。


 見積もりに2週間、修理に1週間かかるとのこと、
ズイブンかかるなーとは思ったが仕方が無いのでお願いした。



 で、日に日にきびしくなる寒さをエアコン暖房でしのぎ、
(ウチのリビングは床暖房もホットカーペットもコタツも無い)
毎日のごとく、家族からはファンヒーターまだー?とせかされた。
やっと、修理完了の電話をもらい、即、取りに行った。



 修理代1万数千円。
なんか、安いファンヒーターなら買えそうだ。



 帰って、さっそく点火。



 げ、全然直ってねえじゃん。


 メーターはまたするすると30度を指し、何回やってもダメ。


 「Y電機」に電話。
何回かの電話のやり取りの末、翌日、修理の人が来てくれることになった。


 で、昨日夕方、おじさんが1人で登場。
事情を説明すると、あー、はいはい、と修理を始めた。


 ダイヤルのところになんかこぼして、ダイヤルがロックされちゃってたらしい。


 と、いうことで4~50分で作業終了。


 無事直りました。
なんだ、簡単に直っちゃったなー。



 しかし、最初の修理でいろんな部品を3つ4つ交換してるが、
ありゃ、なんだったのか?

 おそらく、修理した「S社」は全然関係ないところをいじってた?


 今回の修理はお金取られなかったが、
1万数千円払ってるわけで、なんか、納得いかないなー。


 病院だったら、もし間違って、良い方の耳手術したりしたら、
訴訟、賠償金ですぜ。


花粉症の初期治療に関する新しい考え方


 えーと、まだ先の話なんですが、
早めに知っといてイイことなのでお話しときます。

 毎年スギ花粉症で治療されてる皆様にお知らせです。


 花粉症のときは、症状が出る前から薬を飲んだほうがいいという
ことは、もう一般にはかなり浸透しましたね。

 これ、もう20年近く前から始まったやつで、
当初は「季節前投与」といわれてましたが、
近年は「初期療法」といわれ、ガイドラインにも記載されてます。


 ケミカル・メディエーター遊離抑制という作用を持つ薬が開発されたとき、
この考え方が起こり、のちに治験も行われその有用性は
実証されています。
かつては「抗アレルギー剤」と呼ばれましたが、最近はこの呼び方はなくなりました。


 その後、この作用を持った薬が出るたびに治験が行われ、
その効果も確認され、
「初期療法」はもはや常識化しました。


 ただ、「遊離抑制薬による細胞膜の安定化」が、その主たる作用機序だとされ
その効果が出るのに2週間程度かかるので、
「スギ花粉の飛ぶ2週間前から飲む」
というのがこれまでの考え方でした。


 ところが、最近の研究によって新たな事実がわかりました。


 初期療法の効果の多くは、拮抗剤がヒスタミンレセプターをブロックすることによって起こる
細胞の沈静化によって起こる効果であることがわかってきました。


 ちょっと話が難しくなりましたが、要するに結論はこれです。

「花粉症の薬は花粉が飛び始めてから、
もしくは症状が出始めてから飲み始めればよい」



 2週間前から飲まなくても大丈夫。
なぜなら遊離抑制剤の効果と違い拮抗剤はすぐ効果が出るからです。
(病院で出るアレルギーの薬は大体、遊離抑制効果と拮抗剤の両方の作用のある薬です。少なくとも当院では。)

 今までは、節分過ぎたらそろそろ薬始めましょう、
って言ってましたが、来年からはその必要ありません。
周りの人にも教えてあげましょう。


 もちろん、症状がひどくなっちゃってからでは薬がなかなか効きませんし、
良くなってもシーズン中は飲み続ける、ってのは以前と同じです。


 まあ、毎年当院で治療されてる方は例年1月末から2月初めに来院いただいて
1シーズン2~3か月分の薬をまとめてお出ししているので、
その時に、飲み始めの時期について説明させていただきますが。
(年1回しか会わない患者さんが結構多いのだ)



 このこと、すごく大事なことなので、各メーカーはお医者さんのところに行って
新たな知見の説明をしなきゃいけないとこですが、
メーカーにとっては2週間分、あるいはそれ以上売り上げが落ちるわけですから
わざわざ、ちゃんと、説明するかなー。


 少なくともオレんとこには来てないけど。




点耳薬の正しい使い方


 学会で家にいないと急患の方を診られないせいか、
今日は休み中に熱が出たり中耳炎になったりで、
救急や他院にかかられた方がみえましたね。


 さて、そこで、複数の方から出た質問で
「小倉先生は点耳薬を使わないが必要ないのか?」
というのがありました。


 答は
「鼓膜穿孔のない急性中耳炎には全く必要ありません。」
ということです。


 中耳炎はその名のとおり、中耳にバイ菌がいます。
もともと中耳は無菌的な場所ですが、
耳管という管で鼻とつながっており、
ここを経由して細菌感染が起こるのが「急性中耳炎」です。


 一方、外耳道と中耳は鼓膜で境されており、
鼓膜は「防水」です。
そうでなければ、プールに入るたび中耳炎になっちゃいます。

 だから、鼓膜に穴の開いてない耳にいくら水の薬をたらしても
肝心の中耳のバイ菌には届きません。

 目をしっかりつぶって目薬をつけてるようなもの、
いや、目にはそれでもまぶたを開ければ回り込むからそれ以下ですね。


 そればかりか、点耳薬が外耳道の外側の汚い部分を鼓膜の近くに流し込んだり、
鼓膜が破けて耳だれが出たときに、耳だれだか水の薬だかわからず困ります。


 学会の決めた急性中耳炎のガイドラインにおいても、原則、点耳薬は用いません。
鼓膜穿孔のある場合に使用は限られてます。
(改訂前は全く記載がありませんでした。)


 さらに問題なのは、鼓膜穿孔です。
中耳炎で耳だれが出ていれば「鼓膜に穴が開いてる」と考えても悪くないのですが、
普通に水薬をたらして中耳まで行くような大きな穴が開いていることは
まずありません。

 まして、耳だれがたまっていれば、その上からたらしても中耳には行きません。


 少なくとも、鼓膜切開後のようにしっかり開けた穴かチューブ挿入耳で無い限り、
点耳薬のメリットはなく、逆にデメリットのほうが多いと考えられます。
それもできれば、耳漏を吸引し、かつ点耳した薬を、
中耳に流し込むような処置をしてあげたいところです。




 だから私は、通常の急性中耳炎では、たとえ耳だれが出ていても
点耳薬は使うべきでないと考えています。
(いや、オレが言ってるだけじゃなく、実際そうなのよ。
今日来た人は、点耳が処方されて、「オグラ先生はいつも点耳薬使いませんけど。」って言ったら
その病院のところの薬剤師さんに「いろんな考えの先生がいますからね。」と言われたそうな。
どっちの先生を指していったんだろうか。もちろん、耳だれ、穿孔のない子です。)


 一方「外耳道に菌のいる」外耳炎や、
大穿孔のある慢性中耳炎には点耳薬は有効ですが、
それも漫然と使うと、菌交代が起きたり、カビが繁殖することはよく起こります。



 点耳薬などの外用薬は、内服に比べると安全だと錯覚して、
「じゃあ、点耳も使ってみて」、なんてことを、
素人の親御さんばかりか、医者でも軽くいう人がいたらちょっと残念です。


 ただ病名と適応症があってるので
「医学的には不要」でも「保険診療上はOK」なんだわ。


日曜日だが、休めません


 先週も先々週も日曜日にインフルエンザ外来やったから、
ここんとこずーっと休みの日がない。


 で、今日の日曜日、朝から学会なのだ(涙)。


 午前中は、日本耳鼻咽喉科学会主催の「補聴器相談医講習会」で
朝10時までに、自治医大研修センターの大会議室まで行かなきゃならん。

 でも、朝4時半に急患の電話が鳴り、
診察はしなかったんだけど、その後しばらく寝られず、ちょっと寝坊した。


 それにしても、遠いよ、自治医大。
足利からはきわめて交通の便が悪い。


 なんとか、9時前に家を出たが、15分の遅刻。



 耳鼻咽喉科専門医のほかに「補聴器相談医」っていう資格があって、
これも講習会に出席して単位を取得しないと更新できない。

 足利では私ともう1人、F先生がこの資格を持ってるが、
F先生、もう開場に来てた。
早起きじゃのー。


 で、休みなしで2時間講義を聴いて、お昼休み。


 午後からは、同じ開場で、
「耳鼻咽喉科学会栃木県地方部会」の学術講演会がある。

 昼休みが1時間足らずしかないので、そこで出た弁当を食べて
また午後に備えるのだ。
こんな弁当だ。
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 会場の机で食べるので、学会の資料なんかが散らかってますね。

 この弁当、上品なんだが、上げ底で量が少なく物足りない。
個人的には「ほか弁」のほうがいいんだが。


 まあ、あんまりたくさん食べると寝ちゃうからってことで
会場側の配慮かも知れませんな。



 で、午後は途中10分の休みが入ったが、
1時から、4時40分までまたバッチリ学会だ。


 今回は特別講演に、東北大の小林先生の「耳管開放症」の話があり、
ノート4ページもとっちまったぜ。


 帰り、また栃木インターから乗ろうとしたら、
「渋滞30キロ」なんて出てたので、戻って下の道で帰ってきた。


 帰宅したのは7時半近く。
さすがに疲れました。


冬のフラワーパーク


 今日は・・・、天皇杯ですか。

 ウチの天皇杯はもう遥か昔に終わってましたなー。
(しかもJ4のチームに負けて・・・・。)

 かつては、リーグ戦が終わると、まあ、つぎっ、天皇杯っ、切り替えっ、って言ってたのに。
ここ最近は、天皇杯という年末の風情が無いのー。



 さて、そんな年末の風情(?)を味わうために、
「あしかがフラワーパーク」に行ってきました。


 藤の花で有名なこの施設、花の少なくなる冬場は
夜間のイルミネーション、ライトアップで集客に成功している。
ヤフーかなんかの「イルミネーションの全国有名スポット」にも出てたらしい。

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 土曜日の夜なので、混雑を覚悟したが、まあまあの待ち時間で入場。
5月に来た時(「あしかがフラワーパーク」参照)とは、ガラッと変わって、別の施設みたいだ。
もちろん、夜に来たのは初めて。
(そもそも5月が最初で、今日2回目なのだ。)


 でもやはり、どこにこんなに人間がいたか、と思う混雑振り。
足利市内には、外なんか、ほとんど人が歩いて無いっちゅうに。
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 今回は家族4人なので娘とも1枚。
(息子との2ショットは、ない。)

 ともかく、公園中がこれでもかって位にライトアップされてて、すばらしい。
トイレだって、このとおり・・・。
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 そして、これは、おお、まさしく「レッド・ダイヤモンズ」!
(今シーズンはもう、終わっちゃってるけど(涙))
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 下半分は水面に映ってるのだ。


 実は我が家が愛用してる「アンタレス・スイミング」の会員は、
会員証を提示するとフラワー・パーク、ただで入れちゃうのだ。



 ところが、5月に来た時はそれをあとから知って悔しかったので、
ゼッタイまた来るぞと決めていたのであった。
(ちょっと、セコイ)



 まあ、人もいっぱいで賑わってて、クリスマスソングも流れてて、
ちょっと年末気分を味わった感じでした。




またまたご質問にお答えします


 またまたご質問が。



先生、いつもブログ拝見させていただいています。

息子(中2)が、新型インフルになり(11/15から)
一週間で治り、翌週(1週間)、鼻水、頭痛、咳、のため、鼻と咳の薬を服用していました。
次の週(先週)は、ずっと頭痛で、12/5に近所の内科に診て頂いた所、風邪が長引いたと言う事で、抗生物質と、痛み止めと、鼻水の薬と、咳止め(咳はでていなかったのに…??)が出ました。
抗生物質を飲ませていいのか、迷って、頭痛薬だけ飲ませていました。
今週もずっと頭痛が治らず、痛み止めも効かないので、近所に神経内科があり、昨日(12/10)診ていただいた所、蓄膿からくる、頭痛とわかりました。
わかって、ほっとしたのですが、蓄膿といえば、耳鼻科の先生に診ていただいた方がいいのかと、また心配になっています。昨日(12/10)から服用している薬(1週間分出ました)は、メイクアクトMS錠、ムコダイン錠、カロナール錠(痛い時だけ)です。お忙しい所、質問してすみません。よろしくお願いいたします。



 さあ、チクノウですね。

 そんなん、耳鼻科に行った方がいいに決まってんじゃん
といいたいところですが、
その神経内科の先生の実力もわかんないので、
副鼻腔炎の知識も深くスゲエできる先生だと、大変失礼ですのでまず、一般的にお話します。
質問者が日本のどこにお住まいの方だかわかりませんので、
中にはご近所の耳鼻科でも副鼻腔炎の知識の浅い人もいるかも知れないし。



 この場合は最初インフルエンザが先行し、
2次感染として副鼻腔炎(蓄膿症)になった、と考えるのが妥当なところです。

 神経内科で、レントゲンかCTかMRIを撮って、診断されたのでしょうから、
診断そのものは問題ないでしょう。


 治療は、まず、抗生物質、消炎酵素剤(ノイチーム等)去痰剤(ムコダイン等)
の内服です。場合によっては抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬などのアレルギー薬を併用します。

 メイアクト、ムコダインもいいでしょうね。
私なら、こういう時は「キノロン剤」を出しますが。
カロナールは痛いときだけ、っていう出し方も好感が持てます。


 中2でもあればきちっとハナかめるので、耳鼻科に通って
鼻処置、ネブライザーなんてのは必要ないでしょう。
昔みたいに「ジビカはひたすら通院」ってのは過去の話。
副鼻腔炎なら1~2週に1回様子を見せに行けば充分。



 ポイントは
①症状が良くならなかった時
 →これは、もう耳鼻科行くしかないでしょう。シュミットなんかする必要もあるかも知れません。

②症状が良くなった時
 →もう一度、お医者さんに行って、レントゲン(CT,MRIの必要は無い)で
  陰影がなくなってるか確認してください。



 蓄膿症は自覚症状が消えても、副鼻腔に病気が残ってることがあります。
放置して慢性副鼻腔炎に移行しちゃうと大変厄介です。
副鼻腔炎かどうかは、レントゲン撮らなくてもわかることは多いですが、
治ってるかどうかは耳鼻科医でもレントゲン撮んないとわかりません。


 あ、あと、もし「蓄膿症」が片側なら、上の歯の虫歯の有無もチェックしましょう。
「歯性上顎洞炎」っていうチクノウもありますので。

新型ワクチンの2回目の接種について

 私の前回のブログに対しコメントにこんな質問が寄せられました。

「先生始めましてっと行っても 診察でお目にかかった事ありますが。いつもお世話になっています。
質問させて下さい。
11月に新型の注射をし先日 小児科で「インフルエンザ」と言われました。陰性でしたが 二回目は
注射したほうが良いですか??」


 んー、ちょっと変換ミスありますが原文ママです。

 それにしても最近質問、多いなー。

 まあ、いい質問ですのでコメント返信ではなく、
今回のブログテーマとしてこのご質問にお答えしましょう。


 最初に結論言っとくと
「2回目は多分要らない」
です。


 さて、この話のポイントは2つ。
一つは「新型の1回目は接種済みである。」
ってこと。

 二つ目は「検査は陰性だが小児科医はインフルエンザだ、と言った。」
ってこと。


 さて、もちろん、この小児科受診時の検査が陽性ならば
2回目の接種の必要は無いわけです。


 ここで、小児科の先生は、
①患者さんの症状
②患者さんを取り巻く環境(周囲にインフルエンザが流行ってるか)
③自分の検査の精度(検査の技術的問題によって陽性率の低い先生はおそらく自分でもその点がわかってるはず)
の3点を考慮して「インフルエンザです。」
と言ったはずです。(多分)



 さて、インフルエンザのワクチンの2回接種の意味は
「ブースター効果」です。


 すなわち、予防接種とはウイルスの断片的な情報を体内に取り込んで
それに対する抗体を作らせるのが目的です。


 ウイルスはタミフル、リレンザによって治るのではなく、
体がウイルスに対して自ら作成した「抗体」によって消滅します。
この辺のウイルス学の基本的なことは「新型インフルエンザについて」で、書きました。
これかいたの4月で、もうズイブン前なので読んでない人は読んどいてね。


 ところが、小さい子供は抗体を作りなれていないので、
1回ワクチンを打っただけでは、抗体を持続的に作れない場合がある。


 そこで、4週間ぐらいして、一回目の接種が体に与えた興奮が冷めたとこで
「おい、貴様、手え抜くんじゃねえぞ。忘れてねえだろな、これだぞ、これ。ちゃんと作り続けろよ。」
と「喝」を入れるのが2回目の接種です。

 だから、1週間とかではなく4週間くらい間あけたほうがいい。



 この患者さんの場合、インフルエンザ、と言われた時には、
少なくとも周りにインフルエンザウイルスがいる環境があった、はず。
とすれば、検査は陰性でもウイルスと接触していた可能性が高く、
そのことが充分「ブースター効果」になるはずです。


 だから、2回目は、いんじゃない。



 これは、一般論としても(つまり、このようなエピソードのない方も)
私は「新型インフルエンザ」の2回接種はどうかな、と疑問を感じています。



 考えてみてください。



 今までの「季節性インフルエンザ」は、まだインフルエンザが流行してない時期に接種をしていました。
すなわち「周囲にウイルスがいない」環境です。


 一方、今回の新型はすでに流行しています。
「そこかしこにウイルスがいる」環境と考えていいでしょう。


 とすれば、ほっといても「ブースト」はかかるので、
私としては「2回目の接種」は、それほど重要ではないのでは、と考えています。


 まあ、打ったほうがいいってことはあるので、当方としては、お上の言いつけに従って、
2回目も希望者には打ちますが、どーなんすかねー。
ちょっと、そんなこともあるかも、とは思ってます。



インフルワクチン・ホームサイズ


 今日は11時半から「新型」インフルエンザの予防接種でした。

 まとめて来て頂いて、大変ご迷惑をおかけしましたが、
それもこれも、10mlバイアルのせいなのだ。

 通常、インフルエンザのバイアルは1ml入り。
大人で接種の1回量が0.5ml、子供は0.2~0.3mlである。

 だから1ビンから2~5人分が取れるわけです。


 ところが、厚労省は何をトチ狂ったか、今回新型のワクチンに、
10倍の10mlバイアルを作っちゃったんである。


 バイアルは開封すると24時間以内に使用しなきゃいけないことになってる。
だから、これを一気に打ち切ってしまわねばならないわけだ。


 しかも、今回の接種対象者は1歳から未就学児童が対象。
あとから、小学校低学年も前倒し追加されたけど、
最初は予約を受けてなかったので、小さい子ばっか。


 ということは、1回量0.2mlとして10mlだと
50人分を1日で打たなきゃならない計算なのだ。


 だからあらかじめ1日何人で受けてた予約の方にお電話して変更をお願いして、
まとめて来て頂いて1時間ちょっとで集中的に
一斉に約50人分を打ちました。



 ホントは来週の予定だったからまだ心の準備ができてない、といってたコーダイ君、すまなかった。




 ところで、医院によってはこの10mlバイアル、さばききれないとこもあるんじゃないの。



 今はもうやってない医院だけど、
以前、季節性のワクチンの時でさえ、
1mlのバイアルを使い切るために、
2人単位で予約しないと打たない、っていってた病院があったくらいだし。




 それにしても、昔のペットボトルがまだ無い頃の、コカコーラみたいだな。

(覚えてます?コカコーラ・ホームサイズ。キャッチコピーは確か「3杯ついでもまだ余る!」
これ知ってる人は○○歳以上です。)

 残すと、炭酸抜けちゃうんだよ。



RSは何の略?


 今日来た患者さん。
「子供が先日RSウイルスといわれまして。」
「ああ、RSね。風邪ですね。」

 さて、RSウイルスって何でしょう。

 「RS」。
車好きの人なら、思い出すのは
1980年代に日産が伝説のGT-R以来のツインカム搭載のスカイラインを発表したとき
「RS」のネーミングでした。
これは「レーシング・スポーツ」の略でしたね、前原先生。

 まあ、全然関係ないですね。

 じゃあ「RS」は、何?

「レッズ・サポーター」でも「ローリング・ストーンズ」でも
「リクライニング・シート」でもないぞ。

「Respiratory Syncytial ウイルス」で「RSウイルス」。

名前は難解ですが、要するに風邪のウイルスです。


我が国では2歳代までに国民の100%がかかり、
「セキやハナなどの風邪」の原因ウイルスとして非常にポピュラーです。
「Respiratory」は「呼吸器の」という意味です。

 感染を繰り返すごとに症状は軽くなりますが、
終生免疫はできないので、大人でもかかります。


 まあ、子供だったらほぼ毎年、かかってる子の方が多い位です。


 ウイルスに対する薬はなく、去痰剤程度で対症療法をします。
もちろん抗生物質は無効です。
まあ、大きい子や大人は薬なしでも「寝てれば治る」風邪です。


 ただし、そんなわけで母体からの移行免疫が十分でないので、
0~1歳の乳児、特に通常はあまり風邪を引かない6ヶ月未満の赤ちゃんに初回感染をした場合、
気管支炎、細気管支炎、肺炎などが重症化することがあり
しばしば入院治療を必要とします。


 そこで、インフルエンザの簡易検査みたいな
迅速検査キットが「3歳以下の入院患者」に限って使われます。


 まあ、3歳以上は検査する意味ないですから。
家に新生児がいれば、ってのはあるかも知れないが、
感染は飛沫もあるが、接触が多いとされてるので、
赤ちゃんに近づかなければ防げるはずです。



 ところで、今回の子、5歳で外来患者さんなんだけど、
そこの病院は何で検査したんだろう。
もともと、保険通らないから、患者実費か病院負担の無料サービスなんでしょうけど、
そこまでして、やる意味あんのかしら。


 お母さんは聞いたことないウイルスの名前言われて
またまた「新手」のウイルスかと思い
相当びびったらしいですけど。

インフルエンザで、最近よく訊かれる事


 ライブ終わって日曜日の朝、電話がなる。
「あ、先生ですか。ブログで見たんですけど、
インフルエンザの外来やるって。
で、うちの子今朝から耳が痛いって言ってるんですけど
それも診てもらえるんですか。」

「ええ、もちろん、いいですよ。」

「ありがとうございます。ところで二日酔いのほうは大丈夫ですか。」

「!!・・・・・はあ、だ、大丈夫です・・・。」

 そーいや、ブログにそんなこと書いたっけ。
しかし、いきなり電話で直に訊かれるとは・・・。



 てなわけで、日曜日はまたインフルエンザ臨時外来をやりました。
いや、二日酔いではなかったです。
ライブのおかげで声はガラガラでしたが。


 ピークは過ぎたようですが、けっこう来ましたね。
最後の子はインフルエンザでなく「溶連菌感染症」だったですが。


 高校生→中学生→小学生と来て、
ここんとこ小さい子のインフルエンザがやや増えてるのが気になります。


 ウチはまだ大丈夫ですが、
市内ではもうタミフルドライシロップがない病院もあるみたいで・・・・。


 まあ、病原性は季節型より低いとはいえ、
今後変化する可能性は大いにありますし、
小さい子の場合、中耳炎なんかを合併してくることが
少なからずありますので要注意です。


 さて、最近よく訊かれるんですが
「家族でインフルエンザが出て、その後少しだけ微熱があったのだがそのまま治まった。
どうすればいいのか?検査は?治療は?」
ということがあります。


 以前書いたように、発熱等の症状でインフルエンザ感染が明らかであれば
検査の必要なくタミフル、リレンザなのですが、
逆に熱がなければ検査は原則必要ないですが、やっても多くは「陰性」です。


 その場合にはタミフル、リレンザは必要ありません。


 インフルエンザはウイルス感染ですから、
状況によって、感染の程度に差が出ます。

 例えば「水ぼうそう」でも、全身に水泡ができ高熱が続く人もいれば、
3,4個ポツポツ出ただけで治っちゃう人もいます。

 さらには、かかった覚えはないが血液検査をすると抗体ができていた、
なんていう「不顕性感染」もあるわけです。

 インフルエンザウイルスも最終的には「抗体」が処理して治るわけですから、
熱が下がっちゃえばそれでいいわけです。

 溶連菌みたいに菌が残って、慢性化するってことはありません。


 ただ、「水ぼうそう」や「おたふくかぜ」みたいに
血液検査をしてかかったかどうか調べることが
今のとこはできないので、
はっきりしなかった人は予防接種をする意味はあります。



 このところ寒くなって合併症を起こす確率も増えているので
特に小さい子供にとっては、まだまだ油断できないインフルエンザです。

半世紀少年、がんばる。


 さて、傷心の埼玉スタジアムからとってかえしてGOKURAKU-YA。
毎年12月第1土曜日はCRP、恒例のウインターライブ。
なんか、去年も一昨年も「傷心の」ライブだったような・・・。

 でも、ロケンローはサイコーだ!
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 今回は前半は、オアシス、ザ・フー、ストーンズ、等。

 このブログにコメントしてくれた女子高生バンド♪「ABC」のリクエストにお答えして
"Paint It Black"も、やっちまいました。
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 後半はグリーン・デイの「21世紀のブレイク・ダウン」からの曲中心で、
どんどんボルテージを上げていく。
オヤジ体力の限界だー。
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 アンコールは「ロコモーション」のほか、これまたこの時期恒例の「ハッピー・クリスマス」。
そして最後は今年50歳になった「半世紀オヤジ」の送る「20世紀少年(20th.Century Boy)」でした。


 お越しいただいた皆様、ありがとうございました。



 来年もがんばるぞー。
あ、まだあと一回「クリスマス・パーティー」でライブありますね。
さて、今年のお楽しみ企画は何でしょう。
乞うご期待!




 (追加)ライブ会場で、私、腕時計を紛失しちゃいました。
「セイコー・ランドマスター」お心当たりの方はご一報ください。


0-1の意味するもの


 週間予報では土曜の天気は晴れ。
んー、なんとなく雨が降らないかな、と思っていた。


 思えば、あれはももう6年も前、やはり優勝を狙う鹿島との最終戦。

 雨の中エメの同点ゴールで、鹿島の優勝を阻止した。
あの時のソガハタの悔しそうな顔。

 埼スタからの帰り道、まだ小さかった娘を肩車して傘さしてたら、
傘が木に引っかかったっけなー。


 天気予報がずれて、土曜日は冷たい雨になった。


 2009年J1最終節
  浦和レッズ    0-1     鹿島アントラーズ   (埼玉スタジアム2002)
     (前半   0-0)
     (後半   0-1)



 優勝を意識した鹿島の動きは硬かった。

 連覇しているチームとはいえ優勝のプレッシャーは相当なもののはず。


 レッズの付け込む隙はいくらでもあった。


 今日の試合を見て、多くのサポーターが思い出したであろうあの試合。
2007年の最終節、ちょうど今日の裏返し。
優勝に大手をかけたレッズはアウェイの日産スタジアムで横浜FCと対戦。
横浜FCはすでに降格が決まり、長らく勝ち星から遠ざかっていた。
だが、優勝を意識するレッズは、まったくいつものサッカーができずギクシャクしていた。

 結果、まさかの敗戦。
9割がた掴みかけていた「優勝」はするりとその手から抜け落ちた。

 そう、2年前の横浜FCのように、のびのびやって鹿島の足元をすくえば。


 しかし、「王者」鹿島はしたたかだった。

 6年前の再現も、日産スタジアムの奇跡も起きなかった。



 残念ながらこのチームとレッズの差は、まだまだ大きい。


 今日の試合、勝ち、引き分け、負け、どんな結果になっても
それは、ありえる展開だった。


 でもこの0-1には、今のこのチームの現状を納得させる説得力がある。



 しかし、決してダメなチームじゃない。
今日感じた悲しみは、去年の最終戦のときに感じたあの虚無感ではない。



 来年の最終戦、喜びと自信に包まれて1年前の冷たい雨の日のことを振り返りたいです。



今度の日曜日もインフル外来します。


 さて、先日「今度の日曜日、インフル外来します
で、お知らせしたとおり、結婚式の前にインフルエンザ外来をしました。

 最初に来たのがいつもウチでかかっていて、
チューブ留置術までしたことある「おなじみさん」だったのでビックリ。


 それほどたくさんの患者さんでごった返すということは無く、
待ち時間もほとんど無く淡々と過ぎました。


 後で、聞けば日赤のほうはかなり混んでたとのことなので、
情報を伝えてこっちに回って貰うようにしとけば良かったかと思いました。


 どうせなら、普段インフルエンザ見慣れてない救急の先生よりこっちのほうが専門ですし、
何より、発熱者の間で長く待たされると、インフルエンザでなかった方まで
その場でインフルエンザに感染、ってこともけっこうありそうだ。



 それから、先日の日曜日ははインフルエンザ疑いでかかった子の中に、
急性中耳炎が2人もいました。

 2人とも小さい子なので、本人の訴えも無く、回りからは気づかれなかったのですが、
1人の子はすでに片方の鼓膜が破けて少し膿が出ていました。


 もちろんインフルエンザ検査は陰性。


 確かに幼小児の発熱で最も原因として多いのは風邪で、
インフルエンザも広くは、この範疇ですが、
次に発熱の原因として多いのが中耳炎ですから、
耳鼻咽喉科医が担う役割は多いなー、と感じます。


 今回の中耳炎の子にしても、フツーにいけば耳鼻科までまわってくるのは
もう少し時間がかかってしまうわけで、ラッキーでしたね。


 で、ややインフルエンザ減ってきたようですが、
まだまだ出てますので
今週末の日曜日、再び、インフルエンザ外来をやります。



 インフルエンザ疑いの発熱の方は9時半から12時の間、受診できます。



 問題は、前日「CRP」のライブなので、
私が日曜日に二日酔いから立ち直ってるかどうか、なんですが。


師走の花粉症


 今日から「師走」。
「師走」は各月の古称の中でも、ダントツに知名度が高いだろう。
「皐月」や「弥生」はまだしも「文月」や「長月」はあまり日常に出てこない。
「師走を迎えてあわただしいですが・・・」なんてのはよく聞くが
「卯月になり新年度を向えて・・・」なんてのは聞いたことが無い。


 ここんとこ、毎日インフルエンザの話しばっかですが、
今日は別の話を。



 最近、外来でよくあるパターン。

「なんか、先週から、くしゃみやノドがイガイガして、せきや鼻水が出ます。」

「ああ、そうですか診てみましょう。」

「お願いします。」

「ノドなんともないなー。熱はどうですか。」

「熱っぽい感じもなくは無いですが、計ってみると熱はありません。」

「ハナ診てみましょう。あ、こりゃ、花粉症ですね。」

「花粉!ブタクサですか?」

「いえ、ブタクサはとっくに終わってます。原因はスギです。」

「えー!もう、スギなんですか?」



 実は「もう、スギ」ではなく「今が、スギ」なのだ。



 スギはご存知のように春先2月下旬から3月を中心として4月上旬まで花粉を飛ばします。

 ところが、今頃、花粉を飛ばすことがあります。


 スギの花粉は夏の間に作られます。
そして一冬越して、来春あたたかくなってくると飛散するわけです。


 一方、11月後半の気候はちょうどスギが花粉を飛ばす3月の気温に近い。


 今年のように11月の前半に寒い日が続き、その後気温が上がると
スギは「だまされて」花粉を飛ばしちゃうことがあります。


 もちろん、量も少ないし、期間も短く、範囲も限定されています。


 ただし、もともとスギ花粉に対する体質が「強い」ヒトが、
「運悪く」ハマッちゃうと、発症しちゃうわけです。



 もうそろそろ終わると思いますが、思い当たるフシのあるヒトは、ご用心を。


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プロフィール

おぐぐー

Author:おぐぐー
昭和60年群馬大卒
開業医4人を中心としたロックバンドC.R.P.のリード・ボーカル&ギター担当
浦和レッズ・オフィシャル・サポーターズ・クラブ会員
家族:妻(耳鼻科医)1男1女1犬(柴犬)
http://ogujibi.com/

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