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咳止めの話


 今回は拍手コメントの方にいただいたコメントです。




 個人を特定する情報が載ってないので、
一応、転載させていただきます。




いつもとっても興味深いお話と、私も小さい子供がいますので、勉強になるなあと思いながら拝見しております。息子は風邪を引き金に咳喘息になります。かかりつけの先生をとても信頼していますが、とにかくすごい患者さんの数でお昼に受け付けしても受診が夜10時をまわるこも。そんな時はよそを紹介されてしまうのですが、いくつかの他院は必ずリンサンコデインやアスベリン酸などの咳止めを処方されます。しかし、かかりつけの先生は咳止めは出しません。咳は止めずメプチンやプランルカスト、ムコダインといった感じです。本当のところ喘息の場合咳止めは使用しないほうがいいのでしょうか?だとすると、あまりにも咳止めを出されるお医者さんが多いです。ちなみに、現在6歳です。アレルギー数値は高いものの、項目別には該当せず、はっきり喘息と診断できないとの事です。お忙しいと存じますが、ご意見をお聞かせいただけると幸いです。





 お昼に受付して、受診が夜10時過ぎ!




 スゴイ、超人気医院ですね。





 患者さんも大変だけど、
どっちかというとその先生のお体の方が心配になっちゃいます。







 さて、今回のお話は「咳止め」です。





 咳止めの可否については、咳そのものについて考える必要があります。





 咳は本来、体の防衛反応で、
気道に入った異物等を排除する仕組みです。




 間違って、気管に水が入っちゃったりすると、
咳こんで、むせます。




 気管支や肺に水が入ると困るので体が防衛しているのです。





 脳血管障害や加齢で咳反射が極端に低下した場合は、
食物が気管に流入していわゆる「誤嚥性肺炎」をおこしてしまいます。




 咳が体を守っているのです。




 痰は気道の分泌物が増えて性状がやや粘稠になったものですが、
感染がある時は白血球が攻撃した細菌やウイルスの残骸を含んでいます。




 とすれば、これは咳で出してあげた方がいい。




 また、喘息の場合はアレルギー反応により気道の分泌が過剰になり、
しかも気道が狭くなってたまっている状態。




 とすれば、これは気管支拡張剤(メプチンやホクナリン)で気道を拡張し、
ムコダインやムコソルバンなどの去痰剤をつかい、
咳とともに外に出してあげた方がいい、
という理屈です。




 よく「ホクナリンテープ」を

「咳止めのシールください」

と言ってくるお母さんがいますが、咳止めではありませんので。






 この辺の仕組みは「急性胃腸炎」の下痢止めに似てますね。




 ノロウイルスやロタウイルスによる感染性のウイルス性胃腸炎の時は
下痢によって早くウイルスを体外に出した方がいいので、
「ロぺミン」などのいわゆる下痢止めは「禁忌」です。





 さて、咳止めの話に戻りますが
それでは、咳止めは常に使うべきではないのでしょうか。




 ウイルスや細菌によってのどや気管の粘膜が障害されると、
気道の過敏性が亢進します。




 すると少しの刺激で咳が出て、
激しく咳こんでしまいます。





 実際にはそんなに痰などは無いのに、
炎症があるために咳センサーが誤作動するためです。





 このような咳は苦しいですし、
咳こみによってさらののどの粘膜が荒れてしまいます。





 こういう咳の時には中枢性の鎮咳薬、いわゆる咳止めを使います。






 実際にはこれらが混在する場合もあるので、
気管支拡張薬を使いながら咳止めを使う、という場合もありますが、
純粋な喘息の咳には原則咳止めは使わないと思います。





 プランルカスト(オノン)はアレルギー反応の化学物質である
ロイコトリエンの働きを抑える物質ですが
平滑筋収縮抑制などの効果から咳の場合にも時に使用します。




 もちろん、喘息をお持ちの場合には発作予防として長期服用することもあります。





 ただ、血液検査の数値などチェックせず、
喘息の診断があやしいのに、
咳の風邪をひいた後、発作予防と称して
延々と長期にわたって出す先生が時にいらっしゃるので、
これはちと問題だな、と思いますが。





 コメントいただいた方のかかりつけの先生は、
そこらへんのところをきちっと考えられている先生のようで、
長時間待ちの人気クリニックであるのも頷けますね。







 ま、そんなわけで、最近は昔と違って、
「咳は止めない」「下痢も止めない」「熱も下げない」
といった風邪への対処が主流になっています。




 PL顆粒とかあのたぐい、最近処方されないでしょ。





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>PL顆粒

でも、これを処方してもらえると、なぜか安心します。

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プロフィール

おぐぐー

Author:おぐぐー
昭和60年群馬大卒
開業医4人を中心としたロックバンドC.R.P.のリード・ボーカル&ギター担当
浦和レッズ・オフィシャル・サポーターズ・クラブ会員
家族:妻(耳鼻科医)1男1女1犬(柴犬)
http://ogujibi.com/

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