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ロックな高校生(第3話)

 「いやー、こないだはよかったよなー。」
 「俺たちの、ファンクラブとかできたりして。」 (んなモン、できるわきゃねえ。)
 「前の、女の子俺のほう見てたよ。」 (そりゃ、見るだろ、演奏してんだから。)

女子高ライブが終わって、再び練習場に集まり、
練習もせずに、あれこれ勝手な見解を述べる我々。

 そん中で、ベースのOがボーとしてる。
「おい、よかったな。お前のおかげだよ。」
「うん・・・。」
「どした?」
「いや、可愛いかったなと思って。」
「へ、可愛いかった?お前のいとこのMちゃんか?」
「そうじゃねーよ。Nちゃんだよ。」
「だれ、それ。」
「ドラムやってた子だよ。」
「あーーーーーーーーー!」
いっせいにのけぞるメンバー。
そっかー、あの子かー。

 確かにドラムやってたNちゃんは、なかなか可愛かった。
「お前、あーゆータイプ好きなのかー。」


 O君は当時「アグネス・ラム」のファンだった。
練習場には、オレがわざわざ彼のためにトヨタのディーラーからもらってきた
でっかいアグネス・ラムの水着ポスターがはってあった。
(ちなみに私は以前述べたようにキャンディーズ派でギターのEは片平なぎさのファンだった。
このEの趣味は謎だ。)
まあ、彼女がアグネス・ラムに似てるかはともかく。

 にわかに盛り上がるメンバー。
「どうする、どうする。」
「告白しろ、告白。好きだって言っちゃえ。」
「まあ、多分無理だと思うけどなー。」
「いや、わかんねーぞ、人間、趣味も好みもさまざまだからな。」
「そうだそうだ、俺も片平なぎさのどこがいいかわかんねーし。」
「片平なぎさを悪く言うな。」

他人事なので、ほとんど無責任な発言が多い。

 しかし、Oはシャイで有名。いい奴なんだが、その手のことには弱い。
とても告白する勇気なんてありゃしない。

そこで、めずらしく建設的な意見が出た。

「今度のロック・ボックス、もし俺たちが通ったらチケット渡して来てもらうのはどう?」
「おー、それ、いいかも。」

 ロック・ボックスというのは、地元の楽器屋さんが主催してるイベントで
足利、太田、館林の3市からバンドを募集し、テープ審査で4バンドを選ぶ。
これに通ると、プロの機材、ミキシングで足利市民会館大ホールで演奏できるってわけだ。

「よし、そうしよう。」
シャイなOも、そこまで行けばやる、ということで納得した。

 そんなわけで、我々は新たな目標に向かって活動を再開したのだった。
(ちなみに、このドラムのNちゃんが、この間CRPのライブに来てくれた人です。)



さて、そんな我々の前に思わぬ試練が待ち受ける。
果たしてアースバウンドはロック・ボックスに出られるのか。
そしてOの恋の行方は・・・。
風雲、急を告げる第4話に、乞う、ご期待。
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プロフィール

おぐぐー

Author:おぐぐー
昭和60年群馬大卒
開業医4人を中心としたロックバンドC.R.P.のリード・ボーカル&ギター担当
浦和レッズ・オフィシャル・サポーターズ・クラブ会員
家族:妻(耳鼻科医)1男1女1犬(柴犬)
http://ogujibi.com/

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