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滲出性中耳炎の手術



 あー、今日の午後は疲れたぞ。

 インフルエンザは依然として猛威をふるってるし、
風邪引き、ハナタレから中耳炎になる子も増えて来た。

 しかも、金曜の夕方は滲出性中耳炎の子の手術が多い。



 鼓膜切開をした場合、耳だれなんかが出ちゃうことがあるので、
翌日診察をすることにしてる。

 すると、親の仕事の関係で平日なかなか来院できない子は、
金曜日の夕方切開して土曜日に再診、なんてパターンが多いのだ。

 特に今日は鼓膜切開が1歳と2歳の2名3耳あったが、
あらかじめ予定手術として4歳児の鼓膜チューブ留置が入ってた。



 Sちゃんは4歳の女の子だが滲出性中耳炎がずーっと治らない。

 これまでに鼓膜切開を両耳3回づつしたけど、
いずれも粘っこい滲出液が満タン。

 そして、その穴が開いてるうちは良いが閉じるとともに水がたまっちゃうのだ。

 それで、チューブ留置を勧め、2週間前に右側を手術。
左は先週の金、土でやるはずだったが、
先週私のほうでお通夜に行く用事が入っちゃったので今日になった。


 問題はSちゃん、あばれ方が半端じゃない。

 診察で耳を見るだけでも大暴れ、お父さんはいつも汗だくだ。

 普段はおとなしいが診察台に座ると突然豹変する。
エクソシストとかあんな感じだ。
2週間前の手術もそれはそれは大変だった。


 それでいて、家では妹(今日の鼓膜切開の2歳児)と一緒に
「ジビカごっこ」をしてるらしい。
「ハイ、お耳、みてみますね。」なんて。
実はこの妹も大暴れムスメなのだ。


 今日もSちゃん、鼓膜麻酔まではおとなしくさせるのだが、
いざ診察台に来ると大暴れ。

 麻酔をすると耳の痛みは全くないのだが、
恐怖心で激しく全身を使って抵抗する。

 スタッフ4~5人で抑えるが一瞬たりともじっとしていない。
ものすごい力だ。

 ちなみに家での「ジビカごっこ」では、あばれるシーンは入ってないらしい。


 何とか耳垢を取り、まず鼓膜切開。

 視野を確保するまでが一苦労だ。

 顕微鏡を動かしながらタイミングを待つ。

 コンマ何秒の隙を見てメスを入れる。

 果たしてドロドロの滲出液が充満。
吸引管でもなかなか吸いきれない。
やっぱ、こりゃ、チューブ必要だよねー。


 さて、こっからが問題だ。


 子供の細い耳の穴の奥の鼓膜に正確にチューブを入れるのはなかなか至難の業だ。


 研修医では全身麻酔で20分で入れられれば上出来だが、
局所麻酔ではそんな悠長なことは言ってられない。


 私は訓練の甲斐あって3秒あれば入れられるようになった。


 しかし、今日のSちゃんの動きは半端じゃない。
3秒間も止まってはくれないのよ。

「オウチ、カエルー」
「ほら、もうちょっと、がんばってー。」
「ぎゃー。」
「Sちゃん、みーっつ数えようか。いーち、にー・・・」
「イーヤダー、おかね、ハラウー。」

 ちなみに「お金払う」とは、いつも診察後お会計すると帰れるので、ということらしい。
金でこの一件を示談に持ち込む、という意味ではないようだ。

 みんなで押さえること2~30分。
私は顕微鏡を動かしながら、ずっと鉗子をもって、チャンスを待ってる。


 そして、一瞬止まった隙を見てチューブを挿入。
その間1秒足らず。
「よし、入った、みたい。」


 しかし、その後もチューブがちゃんと入ってるか確認するのに
大暴れが止まらず、またしばしみんなで格闘した。


 無事入ってました。


 めでたくチューブの入った鼓膜の写真を撮り、
同じファイルにSちゃんのピースサインをしてる顔写真も取り込んだ。
2週間前の写真は泣き顔だったけど、
今度チューブが入ったらピースサインするって、お母さんと約束してきたらしい。


 いやー、Sちゃん、良かったねー。
これでお耳がよく聞こえるようになるぞー。
ピアノも上手になるぞ。


 それにしても、粘り強くがんばったスタッフの皆さん、そしてお父さん、
大変ご苦労様でした。

 きっと、明日はみんな筋肉痛だ。


 Sちゃん姉妹、今夜は「ジビカごっこ」、するんだろか。
きっと、疲れて、すぐ寝ちゃうね。


 おやすみなさい。


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コメント

うちの娘と良い勝負みたいですね。
「耳のお医者さん行く?」って聞くと「嫌!!!」ってずっと言ってます。
就学時健診では耳の事は何も言われなかったので大丈夫っぽいのですが(音は大分聞こえるみたいです)、耳垢は採ってもらいたいのでそのうち行きます(多分)。

Re: コメントありがとうございます

ゆうかママ様

「うちの子、すごくあばれます。」
といって、連れてくるお母さん多いですが
実際には
「いやーこんなのまだまだです。」
ってことは多いです。

当院は見かけに似合わず(?)屈強なスタッフがそろってますので
安心して御来院ください。

お世話になってます。

この日切開した内の1人のママです。

息子が鼓膜麻酔をして待っている間にとんでもない暴れ声が、診察室から聞こえてきてました。
これは、手強そうだなと…
お疲れ様でした。

大仕事の後にうちの息子まで、ありがとうございました。

話しは変わりますが、先生とこのスタッフの皆様は、どんなに混んでいて忙しそうなときでも、いつも優しく丁寧に息子二人に接していただいて、本当に感謝しています。
息子二人が耳鼻科を嫌いにならないのは、スタッフの皆様のお陰です。
その雰囲気作りも、先生の人柄なのだろうといつも思っています。
あと、どんなに小さい子供でも一人の患者(人間)として診察して下さる事が子供は嬉しいのだと思います。
(うちの息子二人の耳鼻科ごっこは必ず目を見て『こんにちわ』の挨拶から始まります。完全に先生のパクリです)

長くなりましたが、これからもよろしくお願いします。
ついでに…
関西弁で、雨と飴の発音は同じでーす。
大阪で飴は、あめちゃんとみんな言います。(知ってました?群馬に来て普通に言ったらかなり笑われました)

古い話で恐縮ですが

今から40年(恥)ほど前、私は年がら年中
中耳炎で先生の御父様にお世話になってました。
痛みは、決まって夜中に始まって痛くて痛くて
夜通し泣き通しでした。父親が朝一番の診察にと
順番のカードを取りに行くと、私の泣き声で先生が
出てきてくださいました。処置をしていただくと
楽になると判っていても処置の最中に耳の中でする音が
怖くて怖くて・・・。先生に「あ~こりゃ痛かったよね~」
なんて優しく言われても涙は止まらず。ついには父親に抱きかかえられ押さえつけられて、別室(手術室ってかいてあったかな?)処置とあいなりました。本当に一瞬で楽になるのですけどね・・。今にして思えば騒がしく迷惑な子供だったと思います。多分中学1年の春まで繰り返していました。
それっきり中耳炎とは縁が切れておりましたが
ず~っとあとからその頃に先生がお亡くなりになった
という噂を耳にした両親に「小倉先生がお前を守ってくれてるんだよ感謝しな」と言われた事を覚えています。
そして驚くことに30数年ぶりに先生の所でお世話になったおり、泣き叫ぶ子供達の声を微笑ましく聞いておりましたが
いざ自分の番となると今も少~し苦手でした(すいません)
耳の中にチューブを入れたつもりなのに副院長先生に
「耳に入ってません頭に当たってますよ~」なんて言われて
いい年をして赤面でした!!
次回もし、お世話になる事がありましたら今度こそ
大人の振舞をしたいものです・・・・・・・・。

実は年少の終わりにお世話になってたんです。
うちの娘も滲出性中耳炎~切開したのですが、穴が塞がったあとまた水がたまってました。
診察の時はいつも4人ぐらいで押えてもらってました。

しばらく放置してたのですが(スミマセン)、聞こえは良くなったみたいで、TVに耳を近付ける事もなくなりました(私も耳が良くないのですが私に聞こえない音も聞こえるみたいです)。

1年生になる前に一度病院に行きます。
その前に今鼻水が出てるので行かないといけないんだけど、期間限定で仕事してるのでなかなか行けないです。

Re: お世話になってます。

くり様コメントありがとうございます。
時間お待たせして大変スイマセンでした。
お子さん二人可愛いですね。
特に愛嬌があるキャラでスタッフにも大人気です。

あめちゃん?ですか?
イントネーションは「阿部ちゃん」と同じなのか?

Re: 古い話で恐縮ですが

にこにこ様コメントありがとうございます。

昔、父の頃は診察券や、ましてインターネット受付はなくて、
朝、受け付けに番号札を出して、その順番で診察してましたね。
あの番号札、薬の空き箱のボール紙をはさみで切って、千枚通しで穴を開けて
マジックで数字を書いた手製なのですが、
小学生の頃、親に作らされてました。
家内制手工業ですな。

Re: タイトルなし

ゆうかママ様 コメントありがとうございます。

滲出性中耳炎は幼少児に多いですが、年齢とともに減ってきます。
小学校の中学年くらいからぐっと減りますが、
まだまだ油断はできませんぜ。
まあ、もうあばれることはない、かな?

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プロフィール

おぐぐー

Author:おぐぐー
昭和60年群馬大卒
開業医4人を中心としたロックバンドC.R.P.のリード・ボーカル&ギター担当
浦和レッズ・オフィシャル・サポーターズ・クラブ会員
家族:妻(耳鼻科医)1男1女1犬(柴犬)
http://ogujibi.com/

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