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「肺炎球菌ワクチン」についてのお話~その3


 第3章 肺炎球菌ワクチンについて

 肺炎球菌には90種類以上の型が報告されています。

 これは表面抗原の違いで、同じ肺炎球菌でも違う服を着てるわけです。


 この型によって効くワクチンが違ってくる。


 例えば、インフルエンザのワクチンで、
ソ連型も新型も「H1N1」なのに従来型のワクチンは、
新型には効かない、という話は昨年の経験でご存知でしょう。



 今回認可になってる肺炎球菌ワクチン「プレベナー」は
7価のワクチンです。

 ということは90種類のうち7種類にしか効果が無い、ということです。


 なーんだ、たった90分の7なのー、と思うでしょ。


 しかし、90種類といってもその頻度、病原性から、すべてが重要というわけではないので
このワクチンによって「侵襲製の高い肺炎球菌感染症の75%に効果あり」といわれています。



 実は現在「13価」のワクチンが開発中で、
こちらですと、90%程度になるようです。



 「肺炎球菌ワクチン」には以前から主として高齢者用の「ニューモバックス」という製品があります。

 こちらは「23価」のワクチンです。


 23種類の肺炎球菌に対して免疫をつけることができます。



 じゃあ、これ打てばいいじゃん、と思いますが、
実はそうはいかないんです。


 一般に「2歳以下」の子供では免疫機構が未熟なため、
通常のこのタイプの「多糖体ワクチン」では、免疫がつかないのです。


 そこで、この「プレベナー」では特殊な技術で乳幼児にも
免疫がつくようになってるので、「2ヶ月の赤ちゃん」から打てるようになっています。




 「13価」のワクチンはまだできてないので、
とりあえず「7価」を打っといて、2回目以降は「13価」に乗り換え、って事は可能です。



 本来こういったワクチンは「公費」で集団接種し、
地域の保健状態を改善するのが理想ですが、
今のところ「自費」接種です。


 1回1万円程度、奨励されるスケジュールだと4回接種ですから、
費用対効果を考えます。



 適応としては「肺炎球菌による侵襲型感染症の予防」ということになっており、
これは「細菌性髄膜炎」「菌血症」「侵襲性肺炎」をさすので、
「中耳炎」は、入っていません。


 先ほどの「75%」をカバーも、「中耳炎」に限ると「60%強」になっちゃうみたいです。


 しかも、もちろん「肺炎球菌の中耳炎の60%」ですから、
肺炎球菌による中耳炎が全体の40%とすると
雑な計算で「急性中耳炎の4分の1位に効果」ってことですかね。



 だから、これ打てば中耳炎に対してはある程度の効果は期待できますが、
中耳炎にならなくなる、ってわけではないです。

 
 まあ、怖いのは「髄膜炎」とかです。


 考え方としてはこれは「保険」みたいなものですから、
リスクが高いお子さんは積極的に受けるべき。


 中耳炎はオレが何とかするけど、
「髄膜炎」「菌血症」になったら死んじゃうこともあるんだから。



 つまり、保育園児や、上に保育園、幼稚園の兄弟アリ、喘息あるいは喘鳴を起こしやすい
「2歳以下」のお子さんは打った方がいい。



 小さい子ほど重要です。



 0歳代で保育園行ってる、なんてお子さんは是非受けるべきでしょう。



 5歳以上は原則的にそれほどの意味はないと思います。



 当院でも予約を開始しますので、
受付にご相談ください。



 安全性についてですが、副反応は他のワクチンに比べ高率で、
接種部位の腫脹・硬結は8割に、
発熱は30~40%の子で出るようです。


 全体で何らかの副反応が出る率は初回で89.5%、
追加免疫を含めた累計では98.3%というかなりの数字が出ています。


 まあ、腫れて熱が出るのは普通、と考えていいようです。




(おまけ)

 以前書いたので、このブログの読者の皆さんは
ご存知と思いますが、

 「細菌性髄膜炎」のもう一つの重要な起炎菌は「インフルエンザ菌」ですが、
これは「ヒブ」といわれる「夾膜型インフルエンザ菌B型」で、
「急性中耳炎」を起こす「非夾膜型インフルエンザ菌」とは別物なので、
「ヒブワクチン」は「髄膜炎の予防」には有効ですが、
「急性中耳炎の予防」には無効ですのでお間違えないように。


 未読の方は過去のブログ「ヒブ・ワクチンって何?」(←クリック)を、ご一読ください。


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プロフィール

おぐぐー

Author:おぐぐー
昭和60年群馬大卒
開業医4人を中心としたロックバンドC.R.P.のリード・ボーカル&ギター担当
浦和レッズ・オフィシャル・サポーターズ・クラブ会員
家族:妻(耳鼻科医)1男1女1犬(柴犬)
http://ogujibi.com/

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