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8月2日のメモリー(第2話)



 前回からの続きですので、まず第1話をお読みください。



 さて、早朝の山道を快調に飛ばしていた。


 前夜雨が降って、路面はぬれていたが、
日の出とともにさしかけてきた夏の日差しが、
暑い真夏日を予感させていた。



 昼間には大いににぎわい、渋滞するこの時期の白樺湖であるが、
まだこの時間、すべてのお店はシャッターを下ろし、
車も人の姿もない。




 白樺湖を抜け、ここからは下り道。



 大門街道を抜け、茅野を通って諏訪インターから中央道に入る予定だ。




 2台の車は猛スピードで走っていた。



「いやー、すいてて気持ちいいなー。」


「ここいつもすごい渋滞だもんなあ。」



 カーブの続く山道をレースのように、
「攻めて」いた。



 先行するファミリアと、ちょっと間があき、
よっしゃ、差を詰めるぞと、アクセルををさらに踏み込んだ時・・・




 雨上がりの路面で滑ったか、
カーブでハンドル操作を誤ったオレのセレステはコントロールを失った。



 「うおおおおおおおおおおーーーーー・・・・・




 そのままカーブを曲がり切れず、外側に突っ込む。



 ガリガリガリという激しい震動とともに車は斜面に乗り上げていく。



 カーブの向こうは山になっているため、車は次第に直立に近くなり、
そして、横に回転してタイヤを上にしてやっと止まった。




  ・・・・・・・・・・・・・・・・・




 「おい、だ、大丈夫か?」



 逆さになってハンドルを握ったままオレは同乗者に声をかけた。



「ああ、オ、オレは大丈夫・・。」


「こっちも、平気、みたい・・・。」


 幸い、みんな、大事は無いようだ。



 車は逆さまでみんな天井に頭がついてるが、
カーステレオからは太田裕美ちゃんの歌が依然、のんきに流れていた。




 「こっちドア開かないけど、そっちはどう?」


 「ん、ナントカ開くかも。」



 ということで、2ドアクーペから何とか全員脱出に成功した。



 車から出て、3人は腰に手を当てて呆然とした。



 トンデモナイことになった。




 しかも、その責任はすべてオレにある。



 「よし、ともかく、警察とJAFに連絡だ。」



 先行するもう1台は、我々の事故に気付かず、
先に行ってしまっていた。





 もちろん、当時携帯電話なんて便利なものは無い時代だ。


 まして、人家も店もない山道、しかも早朝。


「こっからだと、まだ、白樺湖の方が近いから、
上ってくる車を止めて、上まで乗せてってもらおう。」



 夜も明け、夏休みなので、少し待つと上ってくる車があった。



「じゃあ、オレとKは、ここに残って交通整理するから、
お前、この車乗せてもらって、連絡してくれ。」



 と、オレは、仲間に指示して連絡に行ってもらい、自分はその場で警察を待った。




 逆さになった車は車線を半分塞いでいたので、
交通整理をしないといけない。




 もっとも、事故車は山から下りる車線だったから、
上ってくる車ばっかりのこの時間帯の交通整理は比較的簡単だった。




 次第に朝日が昇り、白樺湖へ向けて車が上ってくる。




 「大丈夫ですか、怪我人は?」


 などと声をかけてくれる自家用車のヒトもいるし、


 観光バスから身を乗り出すようにして、


「あーこりゃ、何人か死んだかもな。」


 などという、やじ馬まで。 




 「事故見物」の徐行運転で少しずつ渋滞がはじまりかけたころ、
やっと、長野県警のパトカーが上がって来た。




 ~まだまだ続く

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プロフィール

おぐぐー

Author:おぐぐー
昭和60年群馬大卒
開業医4人を中心としたロックバンドC.R.P.のリード・ボーカル&ギター担当
浦和レッズ・オフィシャル・サポーターズ・クラブ会員
家族:妻(耳鼻科医)1男1女1犬(柴犬)
http://ogujibi.com/

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